中山 | 小島良太オフィシャルブログ「馬なりぃ」Powered by Ameba

中山

今日は4頭が出走。うちの馬に限らず、全ての出走馬が無事にまた厩舎に戻れることが一番ですね

ブログを書いている方の中には、先日の事故で「しばらくは競馬は…」という方がいました。目を背けるのは気持ち的には十分過ぎるほどわかります。でもそれでは今日からまた走っている馬たちが可哀想な気がします。いいも悪いも全て見届けるのも愛情ではないかと思います。僕は15年ほど前、当時は厩務員だった頃、担当馬がレース中に粉砕骨折し、そのまま安楽死になった経験があります。朝、一緒に意気揚々と馬運車に乗っていって、帰りは封筒に入ったタテガミだけになってしまって…。厩舎に着いたら「帰ったら思い切りゴロゴロできるように」と、出発前に敷いたフワフワの寝藁は片付けられ、代わりに人参とお線香が置いてあるのを見て、「なんでこんな仕事に就いてしまったんだろう」って泣き崩れて。でも、もう一頭の担当馬で「能力喪失」つまり治る見込みがないという診断を受けながらも、両前脚にギプスをして、じっと馬房の中で何ヶ月も耐えながら頑張っていたサクラローレルの顔を見ていて悲しみにふけってる自分が裏切り者に思えてきました。サクラローレルがこんな状態になってから担当することになったのですが…。逃げるのは簡単。でもボクが逃げることが他の相棒たちにとって幸せなのか?って。最後まで嫌なことにも付き合い続けてこそなんじゃないか、って…。僕の原点はそのコガネスキーという、きっと誰の記憶にも残っていていない未勝利馬にあります。自分にもっと観察力があったらあいつは死なずに済んだかも知れない、と今でも思っています。だからこそ、クラスによって扱いが違うことが許せないし、まずは無事に、と常に思っています。この考えが崩れたときはこの仕事はやめようと思っています。

皆さんもこれからもずっと続く競馬、馬たちをずっと応援していて欲しいな、と思います。

競馬の日に重い話しですいません。でも皆さんには今まで同様、競馬場に足を運んだり、応援して欲しいな、とレースを迎える今日、改めて思いました。