アフリカでは、、 | Tatsuhikoのブログ

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『教育と環境のデザイン』というテーマで頑張ります。
気になることを、気にせず書き綴っていきます。

数年前、偶然本屋で出会った本に衝撃を受けました。
それは何か不安そうな目をしたアフリカの女の子の顔が表紙の、「切除されて」という本でした。

割礼という言葉を知っている方はけっこういると思う、僕も昔歴史だったかの中で知った言葉だった。

当時、ニルヴァーナ「Never Mind」のアルバムジャケットの赤ちゃんのアソコが完全に成人して

いるのを見て、みんなで「この子は割礼してるな!うらやましいぜ」って言ってたことを憶えている。


●ニルヴァーナ「Never Mind」 1991年
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割礼とは一般に男性器の包皮の一部を切除する風習で、バックグランドとしては宗教や文化が

あるが衛生面や健康な発育という面で施術する意味もあるそうだ。そう男性に対する風習や行為

だとずっと思っていた、、この本を読むまでは。


とても信じがたいがアフリカを中心として20~30ヶ国で、女子割礼または女性器切除(FGM)

というおぞましい風習があることを知った。

FGMとは「Female Genital Mutilation」という意味の略で、この風習は生後まもなく~12歳くらい

までの間で大人の女性への通過儀礼として行われている。なんと女性器を切除するというのだ。


アフリカの貧しい地域(ほとんどだろうが)では不衛生な環境と道具によって行われるこの施術で

後に後遺症が残ったり、最悪の場合は合併症で死亡することもあるらしい。しかも施術を行うの

は医師ではなく、村の年長の女性がナイフやカミソリを使い麻酔なしで行うことがほとんどのようだ。


この本を書いたキャディ・コイタという女性自身もFGMの経験を持ち、それによって苦しむ人生を

歩み、フランスに移住したことによって自覚するFGM廃絶、そして女性人権の確立を目指して立ち

上がることになる。

この本を読んだ同じ時期に偶然BS NHKで放送した映画「母たちの村」を観た。まさにこのFGM

を題材にした内容だった。代々村で当たり前の風習として行われてきた儀式、そこから逃げ出す

わが娘を含む4人の少女を匿い、守ろうとするお母さんたち女性の物語だった。



●映画「母たちの村」 2006年公開


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割礼という言葉はともすれば宗教・文化的な要素を含んでしまい、外部の人間がそれに対して意見

や批判をすることがタブーのようになってしまうこともあるかもしれないが、僕は思うFGMに関しては

もはや現代においては女性の人権を奪う残虐非道な悪習でしかないと。


じゃあこのFGMのような悪習をどうすれば根絶できるのか、もちろん世界には廃絶運動をする団体

や国としてなくそうとする動きはある。

僕が思うのはやはり教育が大きいのではないかと、それぞれの地域にある昔からの風習や宗教・

文化、伝統には大切なものがあるが、ある部分価値判断は時代と共に変わらなければいけない。

でもアフリカの大部分がまだ価値観を変化できない状況、それどころではない日々の生活さえまま

ならない現実があるのは分かる。

でもだからこそ今のアフリカの子どもたちに食料と同じ価値で教育を広め、未来への活力と価値観

をもっと広く持ってもらう必要があるのではと思う。


そうい意味で、世界の国々の中でも非常にニュートラルな良識を持っていると思う日本人(自分を含

む)ができることを考えたい。


この同じ地球上で今でも年間約200万人、一日に6000人近い少女がFGMを受け、性器切除された

女性は1億3000万人以上いるとされる。


●「切除されて」 キャディ・コイタ 2007年
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