日曜日だから主旨から外れて・・・2 | Des Pierre Making Blog by 小栗 了

日曜日だから主旨から外れて・・・2


今週の日曜日も先週同様、


主旨からは外れますが、役者時代の話を。



本格的に役者をし始めて2本目の仕事が


蜷川幸雄さん演出の舞台


幻に心もそぞろわれら狂おしの将門」という


清水邦夫さんの戯曲でした。


アメリカでの留学時代は何本か舞台をやってきましたが


日本では初でした。



このときは、一応事務所に所属しているときでした、確か・・・



稽古が始まり、稽古始めの頃は本当に蜷川カンパニーの


役者さんたちに色々と助けてもらい


なんとか乗り切っていたんですが、


稽古場最終日、明日から劇場で三日後本番の日に


実は階段から落ちました。


落ちたというより、稽古中、毎回落ちる芝居をしてたんですが、


落ちた時に足をやりました・・・


落ちてセリフがあり、堤さんを見上げるってシーンだったんですが


落ちた瞬間、自分でもやっちゃったって感覚があったんですが、


そんなにたいしたことはなかった感があったんですが


セリフを言って、堤さんを見あげたら、


目の前真っ白になり、


足に激痛を感じ、


足をついてることさえできない状況になってました・・・


とりあえず、このシーンだけはなんとか乗り切らなきゃって


思いながらなんとか立っていたのを覚えてます。


で、舞台上からはけて、舞台そでに戻ると役者仲間が


「今、足やったっしょ?」って言ってくれましたが、


すでに座り込んで立てなくなってました。


その時の衣裳が靴は膝までのロングブーツだったんですが、


すでに足が腫れていて、一人では脱げず、


何人かで引っ張ってもらってやっと脱げました。


その時点で、足はすでにパンパンに張れて、


右足だったんですが、もう地面に着くことさえできない状態。


すぐに病院へ。



レントゲンを撮ってもらいまして、


ま、幸いにも骨は折れてなかったんですが、


医者には「折れてた方がよかったくらいひどいねんざ。」


といわれ、付き添ってくれた制作の方が


「3日後から本番何ですが、走れます?」って聞いたら


医者は


「普通に考えて2週間は松葉杖なしじゃ歩けないし、走るのも無理。」


ま、本人が一番わかってたんですが、足もつけない状況で・・・



その日はそのまま自宅直行。


うちの母が知り合いの整体師さんをすぐ呼んでくれて、


この人が魔女みたいなおばちゃんなんですが、


来て、足見て、すぐに


「大丈夫、なんとか三日後に走れるようになるよ、でも痛いよ。」


そこから稼働域を無理やりほぐすって言うやり方を開始。


本当に本当に本当に痛かったです・・・


でも、それを一時間くらいやってもらったら


けがした初日にもかかわらず、


足をつけるようになりました。


本当に、その整体師さんには感謝してます!



その夜、


蜷川さんから電話をもらい、


「ほんとに馬鹿が」って、でも、


「動けるようなら、小栗、松葉杖ついてでも出してやるから明後日、劇場来い」


って言ってくれて、非常に嬉しかったです。




二日目にも整体師さんに足をやってもらい、


二日目夜にはなんとか松葉杖なしでも歩けるようになりました。




三日目、劇場入りし、その時の殺陣の方に足のテーピングを


がちがちにしてもらい、


ゲネプロ・本番初日を行うことができました。


本番最初の一週間は痛みとの闘いでしたが、


最後のほうは、馬鹿なんでどっちの足をやったかさえも


わからなくなってました・・・




俺にとっては初舞台だったんですが、思い出深い初舞台です。


しかしながら、関係各所には色々とご迷惑をおかけしました。


この間、弟が堤さんとお会いしたとき、堤さんから


「兄ちゃん、元気か?」って言ってたよって。


それと、


「あいつ、俺の舞台ときケガしたからな~。」って


いい記憶力で・・・



ま、どんくさい思い出なんですが、これも俺の歴史の1ページです。


長い文章、お付き合いありがとうございました。


また、大岩に自己満足ブログっていわれそうです・・・・