no.2 手甲にパイオネックス | 無料治療会 患者役募集中@術伝流 鍼灸・操体実践講座

no.2 手甲にパイオネックス

1.はじめに

 今回は、指をしらべたあと、手の甲のツボをさがし、そこに0.3or
0.6mm円皮鍼パイオネックスをはってみます。

2.ツボを径1mm以下に特定し、円皮鍼をはる

まず指まわりをしらべる

 先回書いたように手の指まわりをしらべて、痛いところをみつけま
す。とくに、指と指の水かきみたいなところが厚かったり、押して痛
かったりするところをみつけてください。

手の甲のヘコんだところをさがす

 みつけたところから手甲の骨と骨のあいだにむかって、反対側の指
をすべらして、たどっていって、ヘコんだところをみつけます。

 このときに指の横側を手甲につけるのがコツです。

 お灸の名人深谷伊三郎先生は、「 指を細く使え 」という言葉を残
されています。

 指紋のあるところよりも、指の横側のほうが細いでしょう。指に墨
をつけて紙に線を引いてみても、指腹で引いた線よりも、指横で引い
た線の細く引けます。

 手の甲の骨と骨とのあいだはせまいので、指横のような細いところ
のほうがツボがさがしやすいのです。

 また、普通、ツボさがしは、毛並みにそう方向にさがすのが基本で
すが、ここは、指のほうからさがすほうが、さがしやすいと思います。

 さがす指と皮膚表面の角度は、45~60度くらいがさがしやすいで
す。指先よりもすこし横よりのほうが細くて硬めだからです。

 ヘコんだところが2,3あったら、押して痛いか、イヤな感じのとこ
ろをえらびます。

ツボを直径2mmくらいに特定し、パイオネックスをはる

 みつけたところは、直径1cm弱くらいに特定できると思います。

 それ以上こまかくツボを特定するには、指だとむずかしいので、道
具を使います。

 竹串か楊枝を用意して、太いほうのはじの角を爪ヤスリで丸くしま
す。反対側のとがっているほうを、太さ1mmくらいのところで、爪
切りで切り落としたあと、爪ヤスリで角を丸くします。

 まず太いほうを、先程みつけたところのなかを、横切るようにすべ
らして、いちばんヘコんだところをみつけます。

 すこし強めに押すとツンという感じの圧痛があると思います。押す
角度によってもちがうので、いろいろ試してください。

 押したあとを見るとヘコんだままになっています。くらべると、ツ
ボでないところは、ヘコんでもすぐヘコみが消え、元にもどりやすい
です。

 その中心を目標に円皮鍼をはります。

 直径1mmの細いほうは、骨空、拳先などの、もうすこしこまかい
ツボを特定するのに使います。

 指からいきなり爪楊枝の頭の太さではむずかしいときには、丸い竹
の割り箸やホットドッグの串などの太いほうのかどを落としたもので
さがしてから、楊枝の頭でさがすとよいでしょう。

 皮内鍼の赤羽幸兵衛先生は、アルミの鉛筆キャップをすすめていま
すが、それでもよいでしょう。

3.症状の変化をよく観察する

 手の甲のツボは、肩胛骨・鎖骨から上の症状に効果的です。

 いま説明したようにはっておくと、そういうところの症状がかるく
なると思います。

 症状の変化を観察するのも、鍼灸の独習には役立ちますので、しっ
かり観察してください。

4.症状にあわせたツボさがしも可能

 また、肩胛骨鎖骨から上の症状にあわせたツボさがしもできます。

 手の甲のツボと肩胛骨鎖骨から上の症状の関係は、親指側が体の前
側、小指側が体の後ろ側が関係していて、耳あたりだと薬指と関係が
ふかいです。

 くわしくは、体は自然、臨床は対話縦切りの原則:十四経
を読んでみてください。

 また、術伝流一本鍼no.2術伝流一本鍼no.3 も読んでみてくだ
さい。

5.おわりに

 次回は、足の爪の上です。

 千年灸や釜屋ミニなどの温灸を用意してください。


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