動物たちの碑にもお参りを | 中谷良子の落書き帳

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核武装・スパイ防止法の実現を

泣ける【静ちゃんへの手紙】~神風特攻隊員の兄と幼き妹~


神風特攻隊<最後の手紙>


以下の島村先生のお話を読んで、靖国に眠るのは戦争で亡くなられた英霊様だけでなく犠牲になった沢山の動物たちも眠っているのだと知り、ちゃんと手を合わせてきました。

ちょっとShockingな内容のお話ですが、戦争経験のない若者たちにはきちんと読んでもらいたい内容です。
私たちが生かされているのは、こういった動物たちの犠牲のもとにも、あることを忘れてはならないと思いました↓

島村洋子(小説家)
$Khloeの~日本のタブー~

数年前に中部地方のある都市で、無理心中事件が起きた。
悲惨な事件だったので、ご記憶されている方も多いだろうと思う。

その家の当主は、妻以外の一家全員を殺害した。
赤ん坊も、2頭の大型犬も含む異常さであった。

彼は警察官の訓練を趣味にしており、大会で優勝経験もあり、テレビで紹介されるほどの名士として知られていたので、私は事件に興味を持った。
それは「犬」に関してのくだりによって、である。

事件の前日、彼はわざわざ訓練所に預けていた愛犬ジャーマン・シェパード2頭を受け出し、森の中でナイフで殺害したという。
刺されている間中、犬たちは悲しそうな目をしたが全く抵抗しなかったのだという。

この供述を読んだ時の私は、長年の疑問が少し溶けた、と思った。
それは軍犬のことである。

私の実家は犬猫のブリーダーなので、日本にいるほとんどの犬種の犬を私は飼った経験がある。
人間のことはほとんどわからないが、私は「犬」という生き物のことは熟知しているつもりである。

犬といえば「忠実さ」だけがその性質として知られているが、それだけではない。
彼らは飼い主の命令をきくだけではなく、「自分の判断」というものができるのだ。

たとえば盲導犬の場合、いくら人間が「進め」と命令しても、赤信号の時は進まないし、自分で危険と判断した時は命令に逆らった行動を取ることもある。
つまり、彼らはただの人間の「道具」ではないのだ。

★動物たちの碑にもお参りを★

戦没馬慰霊像
$Khloeの~日本のタブー~

靖国神社に参詣する時、私は必ず「軍馬・軍犬・軍鳩の像」にも手を合わせる。
ありがたいような申し訳ないような、来世があるなら次回は人間に生まれて来てほしいと思いながら、である。

軍犬には大小いろんな犬種が使われているようだが、なんといっても代表格はジャーマン・シェパードである。
利口であるし、忠実であるのはもちろんだが、人に寄り添い、人の役に立ちたいという気持ちの強い優秀なドイツ原産の犬だ。
しかしいくら賢いといっても、彼らはどこまで自分たちの任務を理解していたのだろうか。

自分たちは再び戻ることがない任務についていると理解することができていたのだろうか。
それともまさか飼い主が、自分にそんなことを命令するとは思わず、一心に飼い主を信じていたのだろうか。
そんなことは動物学者でも、どんな愛犬家でもわからないことなのかもしれないが、私はいつもいつもそれが気になっていた。

ジャーマン・シェパードは知能が高いので、かなりのことを理解する。
賢い幼稚園児よりも理解度が高いのではないか、と思えるほどである。

もしかしたら彼らは、任務のすべてを理解していたのではないか、と私は冒頭の一家無理心中事件の犯人の供述を読んで確信するようになった。
すべてを理解して諦めたような、悲しそうな目をして無抵抗だった、と犯人は言っているのである。

今の警察犬がそうならば、数十年前の軍犬もまた、同様の能力を持っていても不思議ではない。
どういう運命にその身が置かれようとも、目の前の主人の役に立ちたいという、その尊い気持ちで死んでいってくれた動物たちの碑にも是非、靖国神社にいらっしゃった皆さまにはお参りしていただきたいものだと思う。

そして、自分のことを一心に信じてくれている犬たちに軍務の訓練をほどこし、悲しい別れをせねばならなかった訓練担当の兵士のことにも心を寄せてほしい。

民主党議員の方々には愛犬家が多く、ペットに関する法律もいろいろ整備される予定であると仄聞(そくぶん)するが、その前に戦場に倒れた犬や馬、そして情報伝達に活躍した鳥たちを顕彰し、その霊を慰める碑に手を合わせていただきたいものだと思うが、いかがなものだろうか。

軍犬慰霊像
Khloeの~日本のタブー~

鳩魂塔
Khloeの~日本のタブー~