梟森南溟『恍惚』 | 日刊 棟方諒

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The psychological Momentサイコ棟方諒のブログ。マイペースな自分のこと、ステージのことや日々のことを綴って行きます♪

◇2008年7月12日BEAT CLUB レギュラーライブ'08 Vol.7にて劇シー唄会決定!◇

 唄ありトークありの普段着的なステイジにしようと思っています。

 →詳細はルームのステイジ情報等等で→http://profile.ameba.jp/ryo-gekishi/  



読んだ小説の感想で御座います。



梟森南『恍惚』 角川書店¥1680(文芸書)
文芸書 恍惚 画像
amazon.co.jp






<『恍惚』の著者について>

坂東眞砂子とジャンクロード・ミッシェルの共同執筆による筆名。

同時に出版した講談社『欲望』と本作品は、

直木賞作家「坂東眞砂子」のままでは書き得なかった、

究極のエロティシズム・・・と帯に記されています。




<『恍惚』の内容>

時は弥生時代、男に狂おしい愛情の念を残しながら、

魂が肉体を飛び去って行く女の哀しみ「緑の女の還る地は」。

時は室町時代、山城国の有力領主に嫁いだ女と、

京の遊里で名を成しながら儚き運命に墜ちて行く「乱の徒花」。

江戸を訪れた阿蘭陀(オランダ)承認に性の悦びを教えられ、

身も心も崩壊する町女を描く「伽羅の魔」、他4編。




<『恍惚の読み処』>

私自身、坂東眞砂子さんの歴史作品の大ファン。

本作品は太古から現代へ・・・

弥生、鎌倉、室町、江戸、平成・・・

どの話も深遠、渇望、悦楽に満ちていました。

勿論エロティシズムも濃密に描かれていますが、

其の時代の女性の抗えない心を覗いて下さい。




<『恍惚』の思う処>

人間の業や臭いが文章から伝わって来る坂東作品。

本作品は「臭い」が特に際立っていて、

うねる大波の様な物語に、

刹那感覚的に呑み込まれてしまった瞬間が幾度もありました。







タイトル通り、

ペイジを捲りながら、

『恍惚』の表情を浮かべてしまうことでせうa(^_^;)A。







☆☆☆☆★(星4つ)