MIAMI VICE~マイアミ・バイス(映画版)~Special Vol.2 | ☆Rusty's Cinema & Muzik Complex☆

MIAMI VICE~マイアミ・バイス(映画版)~Special Vol.2

Vice Colin

今回は大特集第2弾ビックリマーク
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
マイアミ・バイス
 さて、お約束通りにマイアミ・バイス大特集第2部です!!
こちらでは一々細かく書いていきますから覚悟して読んでくださいね。かなり長いと思いますし。出来る限り映画を観たのと同じように沿って書くのでまだ観ていない方はここまで!!
Stealth Mode/ネタバレ区域 
 今回は大特集なのでこの第2部目をステルス・モード全開で書いていきます!!
今までに無いほどのネタバレの量ですので映画を楽しみたい方は本編を観てから読みに来てください。読んでも平気な方やあえて読んでから本編を観たい方はお気軽にどーぞww
いつも通り、ネタバレを見たくない方はスルーしてくださいね!!
ご覧になりたい方はドラッグして文字を反転させてくださいねっ☆
出来る限り、映画の進行に沿って細かく書いてますから~!!
 では、ここからブッチギリのスタートです!!
↓↓↓ココから「ステルス・モード」↓↓↓
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Jay Z/Linkin Parkの〔Numb/Encore〕が響く音譜
 さぁ、この作品。「UIP」のロゴの後、いきなりJay Z/Linkin Parkの〔Numb/Encore〕が流れて始まります。そうなんです、オープニング・ロールが全く無いのです!!場所は「クラブ・マンション」。これは実際にマイアミにある有名なクラブなんですよねぇ。いきなり主人公であるソニーとリコ、そしてトゥルーディーの3人がクラブ内を見渡しています。同時にジーナ、スワイテク、ジートという3人の刑事も一気に流す程度で紹介しています。ここで売春の囮捜査をしているシーンが始まるワケです。売春の元締めが1人の娼婦を殴るのを見たリコがクラブの人ごみを掻き分けて近寄っていくのですが、ここでの格闘シーンはマイケル・マン監督の「コラテラル」のクラブのシーンとタブります。しかも敵の倒し方までよく似ている。リコ(ジェイミー・フォックス)がボディ・ガードの一人を倒して、止めに相手を踏むのですが、「コラテラル」の時もトム・クルーズが同じようなことをしています。簡単に流れるシーンですが、撮影中は監督や俳優がかなりお互いの意見を交換して試行錯誤しているのです。マイケル・マンはかなりこだわりを持つ監督ですから。ソニー(コリン・ファレル)も1人倒すのですが、この流れもリハーサルの時は結構本気でやってました。いきなり二人がコンビを組んでいるのでTV版を知らない人はどうしてこの二人がコンビなのか分からないままですが、TV版と雰囲気も違うのでそれはそれでいいのかも。万が一、続編などが作られたらその時に説明してもいいですし。ハリウッドなら有り得ることですから。
 ソニーに掛かる1本の電話から話が始まります。情報屋のアロンゾから電話を受けたソニーとリコは逃げようとしているアロンゾを探す為に囮捜査を中止し、フェラーリ「F430スパイダー」で探しにいきます。ヘリと合同で高速道路上に探し当てるのですがこのシーンでの街路灯の色や雰囲気、そしてフェラーリを捉えるカメラのアングルが渋い。マフラーから出る青白い炎と夜の雰囲気がいい感じです。コリン・ファレルは撮影前からドライビングの練習もさせられていましたので、このシーンで実際に運転しています。ハリウッドでは今でも運転シーンではブルー・スクリーンなどを使うことが多いのですが、ここも監督のこだわりでしょう。アロンゾの話を聞いて、彼を止めようとする二人。アロンゾの家族が殺されたことをリコが彼に告げると、自殺を図り、トラックに轢かれるのですが、BGMがかなり静かなもので殆ど音がないですし、高速の上の車の音やクラクションしか聞こえないので生々しいです。なんで警察がフェラーリ?と、思うかもしれませんがフロリダの法律では警察の押収品は警察で使うことが許されているからだとか。また、潜入捜査を行う上では普通のスーツでフォードのセダンではスグにバレてしまうからです。ある程度、羽振りがいい感じを出す必要があるので。ボートや銃に関しても同様。
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事件は1本の電話から始まる・・・
 ほぼ同時進行でそのFBIの潜入捜査官らと組織との「顔合わせ」のシーンがあります。川沿いの空き地での取引のシーンですが、ここでは数々の薬物の名前が挙がります。「エックス」や「クリスタル」など主に使われる麻薬の名前が出てくるのもリアル。よく映画で使われるのは「コカイン」や「クラック」などですが、リサーチ魔として知られるマイケル・マンらしい演出です。取引を終えて、帰ろうとするロシア系の潜入捜査官らの正体がバレ、組織に狙撃されるシーンがある意味グロくてリアル。前半の一番スゴいシーンですが、狙撃しているライフルは「バレットM82A2」という対物用大口径ライフル。通常は戦車やヘリ、壁などを撃つ目的のライフルで50口径。壁でもかなり大きな穴が出来るものですので車の装甲などは簡単に抜けます。車内の後部からカメラで捉えるシーンでは普通のマシンガンで蜂の巣にされていくのと同時に運転手の腕がちぎれて後ろに飛びます。また、その直後にも腹部に当たった弾が貫通してシートにも大きな穴が空くのが生々しい。実際にはこのライフルで人を撃つことは国際法で禁止されているほど。組織の非常さを表すのには上手い描写の一つです。
 ソニーとリコはアロンゾの家に向かうのですが、上司であるキャステロから別の場所で会うことを言い渡されます。現場に行けば犯人や組織の人間が見に来ている可能性があるので刑事の正体がバレないようにするからですね。ここで初めてFBIのフジマを含めて事件の背景を説明。潜入捜査が本格化していきます。実際の場合もこういったことが行われます。日本の警察にはありませんが、アメリカではFBIや市警が潜入捜査をしますし、それはかなり過酷なこと。事件のキーでもあるのですが、その潜入捜査官が組織にバレれば消されてしまうか、逃げられてしまいますから。どこからら情報が漏れ、潜入捜査官が危機にさらされるので元を掴む為にソニーとリコが抜擢されるのです。
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リコとトゥルーディの落ち着いた愛ラブラブ
 この作品で唯一和むシーンであり、リカルドの私生活が見えるシーンがトゥルーディとのシャワー・シーンの件。シャワーを浴びてから二人が愛し合うのですが、多少ジョークがあります。これ以外は特にジョークが出る部分もなく、緊迫した雰囲気が続きます。このシーンで感じられるのは普段は過酷な捜査をしているリコにもやはり弱さがある、というような人間味です。疲れて、尚且つ安心感を得たリコはトゥルーディの腕に抱かれて眠ります。この様子は男の弱さの1つ。観ていてダブるのは「007」シリーズ。ボンドもタフですが、女性と過ごすことで自分の人間味を確かめているからです。
  いよいよ潜入捜査の準備が始まるシーン。リコの家にソニーが来て、話し合っている時に1回だけソニーは薄いブルーのシャツを着ています。あとは基本的にモノトーン色の衣装が多いだけにそういう部分で見て楽しむというのも映画の観方の1つ。トゥルーディも加わり、彼らの裏の顔である偽犯罪歴の確認などが流れるように説明されます。
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フロリダ州法の力があるからフェラーリに乗れる車
 昼間に1度だけ「F430スパイダー」に乗って走るシーンでは組織との接触を図るために犯罪者のニコラスと連絡を取ります。そしてニコラスの家でバイスのメンバーと話し合うシーンでも1つ見逃せない部分があります。海が望める邸宅のリビングで話し合うのですが、ここでのソニーの動きに注目。監督の意図で窓際に立つソニーが外を見ながら話を聞いているのですが、少しだけ長くソニーの顔がアップになります。ここでは彼の哀愁が少し漂う感じの仕上がり。遠くを見ていて、物憂げな感じが伝わります。一見はプレイボーイなソニーの孤独な部分が見える場面になっています。
 場所が変わって、パラグアイの街がクローズ・アップされて麻薬組織の怪しい動きが鮮明に描かれます。映画というよりはドキュメンタリー的な描き方でソニーとリコのデータが入ったUSBが運ばれるのですが、バイクから人の手をいくつか渡り、またバイクでイエロの元に運ばれます。南米の独特な雰囲気とアンダー・グラウンドな部分をリアリスティックに映しています。
 イエロからのゴー・サインが出た事をニコラスから知らされたソニーらはいよいよ南米に入ります。プライベート・ジェットで入り、街を歩いてイエロに会いに行くシーンでは武装した傭兵や子供などが無造作にいるように感じますが、ソニーが「自分を知られている気がする」と囁くのが印象的。潜入捜査をどれだけ経験しても、やはり緊張が走るのは事実でしょう。イエロの隠れ家でいよいよ“仕事”の話を始めるのですが、南米訛りのイエロの英語が耳に残ります。壁に描かれた数々の絵がダークでいい感じ。会話の中にもその絵についての話が出てくるのでよく周りの絵を見て欲しいです。ここで初めてイザベラも登場。組織の構図が徐々に現れてきます。ジートが渡す手榴弾で脅しをするソニーですが、普通に見てれば「撃たれるんじゃないのぉ!」とか「撃って逃げればいいじゃん!」なんていう声が聞こえてきそうですが、手榴弾はだいたい周囲15mの人を殺傷出来るのであれだけ近くにいられたら安直には撃てません!!あえて銃で突きつけ合うような映画チックなシーンじゃないからリアルなんですよ、今作は。
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遂に組織と接触するバイスのメンバーら。
 
 イエロからの話でボスとの接触まで近づいたソニーとリコがホテルに戻ると銃を抜いて部屋を見て回るシーンも基本。知らない土地で更にホテルなどだと刺客がいる場合もありますから。ここでは2人がそれぞれ違うシューティング・スタンスを見せてくれます。リコは左手を前に出して、銃は右手だけでホールドし、部屋を1つ1つ見ていきます。ソニーは基本的なCQB(接近戦/クロース・クウォーター・バトルの略)のテクニックで部屋に入ります。スライシング・パイという動きで敵に自分のいる場所を悟られない様に壁際を進みます。ここでも監督のかなりのこだわりが見えるのが銃。ソニーは映画では滅多に登場することがない「SV インフィニティ TIKI」を持っています。画面からこのシーンで確認することはかなり難しいのですが、後にも出てきます。また、TV版では銃を肩から吊るすショルダー・ホルスターを使っていたのに対し、映画版ではインサイド・ホルスターを使用。確かに、近年はヒップ・ホルスター(腰にするタイプの銃のケース)を使用する警官が多い。マイケル・マンは「コラテラル」でもインサイド・ホルスターを使用しているので気に入ったように感じます。部屋の安全を確保した二人は鞄から次々に銃を出して、弾装を確認したりします。ここではショットガンや「SIG552」という高級なアサルト・ライフルも登場。
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目には目を!果たして彼らが最後に見るものは!?
 イエロの指示通り、顔合わせ場所に来たバイスのメンバーですが4時間待たされて来ないので帰路につこうとします。この時、スーツを着ているソニーとリコですがソニーは肩からSIG552というライフル・リコはショットガンを吊るしています。相手が何人で現れるか分からない状態で最初の顔合わせで銃を突きつけられているのでかなり警戒している雰囲気がよく伝わります。待ちくたびれてホテルに戻るとイザベラらが待っていてそこからやっと黒幕であるモントーヤに会うことになります。そのモントーヤとのミーティングのシーンでは周りを厳重な警戒態勢で固められていて、最初で最後のミーティングとなります。モントーヤやイザベラを乗せた車が去る時に窓から覗くイザベラの表情とソニーがそれを見つめる表情が二人の恋の始まりとして上手く描かれています。
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彼女の目に映る人は一体・・・。
 1回目の運び屋としての仕事のシーンではマイケル・マン監督作にしては珍しく空の映像が出てきます。マイケル・マンの作品は夜のシーンが多いのですが、今作では珍しく昼間のシーンもあり、空を駆け抜ける飛行機の映像はかなりレア。離陸して、渓谷を抜け、綺麗な青空と雲の隙間を「A-500」小型機がデジタルカメラでの撮影により鮮明に映し出されます。レーダーを掻い潜り、夕日の中を低空飛行するシーンもなかなかの見物。リコが操縦してる辺りも上手くキャラクター配分が出来ている感じがしました。
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フェラーリはソニーが、飛行機はリコが操縦飛行機
 その後、無事に運び終えてからは更に信頼させる為にバイスがわざと奪ったイエロの持ち物であるドラッグを見せて奪い返したように仕組み、再度仕事の話をしにイエロとイザベラに会いに行くソニーとリコ。話の途中でイザベラを口説いてソニーはボートでキューバへと行くのですが、その時にイエロがボートを眺めたままリコの話を上の空で聞いているのが印象的。
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パワー・ボートも健在。豪快に水飛沫を上げる波
ソニーとイザベラはクラブで踊り明かし、遂に愛し合います。ラブ・シーンも一気に燃え上がりながらどこか切ない感じが大人の恋らしく感じられ、ソニーに抱かれながら涙を流しているイザベラがどこか切ない。モントーヤについていながらも本気の恋をしてしまった彼女の悲壮感が伝わります。翌日もレストランで食事をしながら「未来がない」とお互いに言い聞かせながらも゛今、この瞬間”を精一杯過ごしているのが情熱的。二人にとっては長いようで短い休息になるのです。
 ソニーはマイアミへ戻り、イザベラは人里離れた滝が見える山奥に住むモントーヤの家へ。イザベラはビジネス・ウーマンをまっとうしているように振舞っていて、モントーヤはソニーとの出来事を平静な表情で聞き入れ、イザベラを抱いていきます。この時点で男の弱さがにじみ出ているのが監督の上手さ。モントーヤは自分が抱くことで何かを確認しようとしている雰囲気。そして普通に抱かれるイザベラは強か。かなりアダルトな雰囲気が流れる瞬間にも見えます。
 次の仕事の為にマイアミに来たイザベラを迎えに来たソニーは迎えのリムジンの中でイザベラと激しく愛し合います。お互いに平常心を保っていた二人が再度、激しく求め合うあたりは本気の愛へと変わってきていることを象徴しているように感じ取れます。
 中盤までに組織への潜入と激しい恋愛模様がじっくり描かれていますが、後半はいよいよ後戻りできないそれぞれが描かれます。
 今回はここまで!!!
まだ書きたいのですが文字数だけが増えてしまうので続きは次回へ!!
↑↑↑ココまでが「ステルス・モード」↑↑↑

予定では2部で済まそうと思っていましたが書ききれない!!
今回は本編の後半直前までを細かく掲載しましたので、次回は後半部分について詳しく説明などをしたいと思います。
 かなり長い文章に付き合っていただいて有難う御座います!
後半ではどんな楽しみ方が出来るのかお楽しみに
完結編である第3部をお楽しみに~!!

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マイアミ・バイス シーズン2 コンプリート DVD-BOX
サントラ, ノンポイント, モービー・フィーチャリング・パティ・ラベル, モグワイ, ニーナ・シモン, マンザニータ
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