秘密 (13) | 花の子るんるんの玉手箱

花の子るんるんの玉手箱

大体ポヤポヤ、時に過激な妄想が入る写真館 兼 カフェです。
主演は勿論 愛するユノ・ユンホ氏。

フォロー、アメンバーは
基本的にYUNHOオンリー限定とさせて頂いてますので悪しからず。



疲労骨折は
アスリートには付き物だから
再起不能とか
絶望とか
そんな心配は無用だったが
昨年の秋から
何かに取り憑かれたみたいに
がむしゃらに走り続けて来た洋子は
緊張の糸が切れてしまったみたいに
無気力になってしまった

一年間の努力が無駄になってしまった

応援してくれたみんなの期待に
応えられなかった


浩二には……


浩二には
自分は浩二が側に付いていなくても大丈夫だというところを見て欲しかった

〝なんか  もう  どうでもいいや…〟

洋子はリビングのソファーに寝転んで
シルベスター相手に
ぼんやりと毎日を過ごしていた


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北海道マラソンも終わり
夏が終わろうとしていた

浩二とは  まる一年会っていない


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『で、洋子ちゃん  具合どうなのよ』
~うーん、足の具合はもぉいいんだけんど
   やる気が起こんねぇみたいなんだわぁ~


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父は 知り合いの牧場に来ていた


『ウチの署の浩二も  まるっきり 
   も抜けの殻みたいになっちまってよぉ
   いい若いもんが 台無しだぁ』
〝浩二は馬  乗れるんケ?〟
『あいつぁあ 運動なら何でもOKよ』
〝そりゃあイイわぁ
    翔太に言って、ココにお引き出せ〟
~またぁ、なーに企んどるんケ?~
〝まあ、任せとき任せとき!〟


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数日後
洋子の自宅に浩二の同僚が訪れた
父と仕事の話をしていたが
仕事明けと聞き
~娘に送らせるから~
と、自家製の梅酒を振舞った

そこに 同僚に電話があった
パトロール中に 鍵を車中に入れたままロックしてしまったから  今から持って来てくれと

《いや~、無理だわぁ~
   今、賀川先生んトコで梅酒振舞われたけ
   車、運転出来んわー》

あっ、お送りしましょうか?

《ありゃ、洋子ちゃん、いい?
   じゃ、お願いします》
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その警察官は
いともあっさり お願いして来た






《ねぇ、洋子ちゃん
   洋子ちゃんは彼氏さんっているの?》

え? 彼氏ですかぁ?
彼氏いたら家でゴロゴロしませんよぉ

《あっ、そうね  なるほどね》



洋子と警察官は
ニセコにある牧場に着いた




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〔おーい!  ここ、ここ!
   洋子ちゃん、ありがとね 助かったよ
   じゃ、俺ら、これで帰るから
   チョット中にいるのと行き先違うから
   ついでに乗せて帰ってやってね
   じゃあね、バイバーイ〕

2人の警察官はサッサと帰ってしまった



ーもう一人いるのか……ー


牧場には羊がいた


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か~わい~なぁ~~
もふもふしてるぅ~~


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「おい!こんな所で 何してる!」











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中にいた警察官と言うのは浩二だった

「おい、後のヤツらはどこ行った?」

~えっ、あの…行くとこがあるからって
    先に帰りましたよ?~

「はぁ?アイツら  何考えてやがんだ」

〝おやおや洋子ちゃん、久しぶり
   この前はお父さん来てたよ〟

~おじさん、こんにちは
    お馬さん みんな大きくなりましたね~

〝洋子ちゃんも益々綺麗になって❗️
   さては好きな人  いるっしょ❓〟

~あははぁ…秘密ですよぉ~

〝洋子ちゃんも久しぶりに乗ってみる?
  ほれ、お巡りさん
  ポケッと突っ立ってないで
  レディをエスコートしたげて❗️〟


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~アタシ  怪我が治ったばかりだから
    遠慮しときますよぉ~

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〝大丈夫大丈夫!
   その昔は貴婦人だって
   普通に乗ってたんだから〟


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〝ささ、お巡りさん 先に乗って❗️〟


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浩二はふて腐れた顔をして
馬にまたがった


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そして洋子に手を差し伸べた













浩二は
用事が済んで受け付けから出てきた時
羊たちを見ていた
洋子の眩しい笑顔に 釘付けになった


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先日、妻の初盆があった

49日の法要の時
妻の両親から
入骨を暫く待って貰えないかと頼まれていた

初盆まではアパートで一緒に暮らした

そして初盆



妻の両親から正式に
娘を引き取りたいのだが…と
申し出があった

結婚 一年も満たない内に事故に遭い
もちろん 子どももいない

結婚は
大学を卒業してから直ぐだったから
共に  まだ23歳だった

両親からしても
余りにも早過ぎる別れだった

浩二はまだ若いし
浩二は一人っ子だ

娘にとっても
慣れない浩二の先祖に囲まれるより
実家の
祖父母の眠る墓の方が
喜ぶのではないかと




一周忌までに答えを出して貰いたい





妻は実家にいる



妻の両親からの申し出の後
一人でアパートに帰り
初めて浩二は
妻を亡くして 号泣した


今   馬上で
自分の腕の中で
子どもの様にはしゃぐ洋子が
冷え切ったこころに 暖かかった







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秋には  洋子と父は
裏山のきのこや庭のりんごを収穫する


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シルベスターも 気持ち参加する


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父の体調も安定し
この冬もクロスカントリーが出来そうだと
喜んでいる


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乗馬クラブからは
洋子が浩二を乗せて帰った


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父が 
浩二君に世話になったんだから
りんごを持ってったげなさい
と言う


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乗馬クラブでの事は
父に話していないのに
なぜか知っているようである


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冬が足速に近づいている


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画像と話の展開は一切関係ありません
団体・出演者の関係、実態等
全て作者の妄想です。悪しからず

画像を拝借致しました(`_´)ゞサンクス