秘密 (12) | 花の子るんるんの玉手箱

花の子るんるんの玉手箱

大体ポヤポヤ、時に過激な妄想が入る写真館 兼 カフェです。
主演は勿論 愛するユノ・ユンホ氏。

フォロー、アメンバーは
基本的にYUNHOオンリー限定とさせて頂いてますので悪しからず。

クリスマスの奇跡が起きた


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植物人間状態だった
浩二の妻の意識が戻った



人の耳は
最期の時まで機能しているとはよく言われるが
妻は 不思議と
意識の無い間の事も良く知っていた

浩二が暫く北海道を離れていて
その間  会えなくて寂しかったこと

北海道へ帰って来てから暫くして
誰かのコーチを始めて
〝アイツはバカだ〟とか
〝アイツはダメだ〟とか
病室に来るなり 楽しそうに話してくれたこと



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浩二は勿論
妻との未来に光が差して来たことが嬉しかった
希望も湧いて来た

しかし  少し

こころの片隅に ほんの少し
妻に対して 後ろめたさがあったのも事実だ




その幸せの裏に
洋子の涙があることを
浩二はよく分かっていた




経過は良好で
担当医師から退院後の話しも出始めた頃
妻が不思議なことを言い始めた


「浩二はツンデレなとこ
   直さなきゃダメだよ
   誰でもが私みたいに浩二のこと
   理解してくれる訳じゃないんだからね」

「将来 子どもが生まれたら
   私の名前から一字取ってね
   どうしても嫌だったら無理言わないけど」

「浩二……
   浩二と結婚出来て
   私  幸せだったよ
   私  どこにいても  いつまでも
   浩二の幸せ見守ってるからね」

「もし私に何かあっても
    いつまでも独りでいちゃダメだよ
    半年悲しんでくれたら充分だからね」

黙って聞いていた浩二も
流石にコレには怒った

でも妻は
大事なことだから
ちゃんと覚えといてね……と
目に涙をいっぱい溜めて そう話した



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新年を二日後に控えた雪の朝

浩二の妻は容態が急変し
浩二や身近な人が見守る中
静かに息を引き取った











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洋子に雑念は無かった


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今なら熊に遭遇しても
風に乗って
上手く交わせそうな気がする

誰かが後ろから押してくれてるみたいに
驚くほど身体が軽かった

早く 次の大会で実力を試したかった


浩二夫妻の事は
風の便りで知っていたが
考えないようにしていた

〝自分には今は走ること〟

来る日も来る日も走り込み
身体を追い込み 虐めぬいた





雪が溶け
春が訪れ
北海道マラソンへのエントリーもすませ


暫くして
洋子は右足の甲の激痛に倒れた

疲労骨折だった


大会まであと2カ月


今年の大会参加は断念しなくては
ならなくなった










画像と話の展開は一切関係ありません
団体・出演者の関係、実態等
全て作者の妄想です。悪しからず

画像を拝借致しました(`_´)ゞサンクス