東京電力の福島第1原子力発電所の事故関連ニュースは
連日色々報道されてますが、
わたしがひっかかった、気になった部分を取り上げますね。

高濃度の放射性物質で汚染された水の処理について、
東電はフランスのアレバ社の技術を活用することについて。

産経ニュースは下のリンク先のように取り上げてます。
仏アレバCEO「汚染水処理、十分に可能」

ほとんどの報道は似た内容ですが、
4月20日放送、関西テレビのスーパーニュースアンカー は、その費用についても
取り上げました。

以下、その部分だけ、ネットの動画から文字起こしをしました。

スーパーニュースアンカー文字起こしここから↓==========
福島第1原子力発電所では、2号機のタービン建屋や、トレンチと呼ばれるトンネルに貯まっている、およそ2万5000トンの高濃度汚染水のうち、1万トンを集中廃棄物処理施設に移す作業が行われています。

気になる☆気になる☆-20110420 アンカー 高濃度汚染水処理

(東京電力の会見)「トレンチの水位ですが(23時間の作業で)1cm低下をしたといった状況でございます」

気になる☆気になる☆-20110420 アンカー 02 東京電力の会見

また、東京電力はこの移送作業と並行して、汚染水の放射性物質の濃度を低くする浄化作業を行う必要があると発表、浄化システムの構築にフランスの原子力技術会社「アレバ」の技術を取り入れることを明らかにしました。
アレバの、ロベルジョン最高経営責任者は、昨日(19日)日本で記者会見を行い、東京電力が求める通り、システムを来月の末に稼動させることに全力をあげ、かかる費用の交渉は後回しにする考えを示しました

気になる☆気になる☆-20110420 アンカー 04 アルバ社の会見

(会見中の記者の質問)「これ(費用)は誰が負担することになるのかというあたりも、わかれば教えてください」

気になる☆気になる☆-20110420 アンカー 05 アルバ社の会見

「求められているのは解決策を早く提供することで契約がどうのこうの言っていられません」

気になる☆気になる☆-20110420 アンカー 06 アルバ社の会見

「日本政府がサポートするので支払いについては信用しています」

スーパーニュースアンカー文字起こしここまで↑==========

そりゃあ、世界的に善意で協力してくれる外国の企業なんて、
そうそうあるわけないのはわかりますが
もっと日本のメディアは、こういった国民の負担にも関わることは
しっかり取り上げて欲しいです!

さらにこのニュースアンカーで、解説者の青山繁晴さんが
ズバリこの部分について解説してます。

内容は、このブログの右サイドにリンクしてます、
「ぼやきくっくり」さんのブログで文字起こし をして下さってるので、
引用させていただきます。

<<↓引用部分、( )内はキャスター発言、他は青山繁晴さん発言です。>>

「ぼやきくっくり」さん引用ここから↓=========
(汚染水の放射性物質の濃度を低くする作業については、フランスのアレバ社の技術を取り入れるということなんですが)

 東電や日本政府がこういう現状だから、フランスやアメリカの手を借りると安心だという雰囲気が日本にけっこう広がってて、特に高名な評論家やそういう方々が、フランスやアメリカが入ってくれるからという感じでおっしゃってるでしょ。よく現実を見てほしいと思うんですが、アレバはフランスの国策会社で、国が9割方株を持ってる。アレバの技術を使ってる核技術施設はすでに日本にあるんですよ。それは青森県の六ヶ所村の核燃料サイクル施設、あるいは核燃料の再処理工場なんですが、これフランスの技術を入れたためにずるずるいつまでも稼働できなくて、もう20回近く先延ばしになってですよ。で、元々の費用は7600億円でできるはずが、何と2兆2000億になってるんです、すでに。これ日本国民が知らなくて、国際社会ではほんとに有名な話で、このロベルジョンさん(CEO)も含めて、国際社会ではもうフランスは六ヶ所村を食い物にしてると言ってるわけですよ。

(普通だったら大クレームですよね)

 関係者だけクレーム言ってるが、国民や政府からのクレームは聞こえてこないわけですよ。青森でそういうことをやってるフランスに福島でお願いするというのは、国際社会の反応は、へえー、日本はよっぽどお金あるのかなという。

(しかも費用の交渉は後回しにすると)

 どれだけ高い請求書が来るのかと。つまり今、「これだけの費用だったらやってくれますね」って契約して仕事するのを、後回しにしてまずやってくれと日本が頼んだことになってますよね。あとから何を請求されても文句言えないじゃないですか。

(善意で言ってくれてるのかと…)←ここのみ村西キャスター

 善意じゃありません。フランスの国に善意なんかありません。国際社会にそもそも善意なんかありませんから。

(今そんなこと言ってる場合じゃないって言われたら、普通は安くやってくれると…)

 安くやってくれるか、ひょっとしたらボランティアっていう考え方もあるのかもしれないが、とんでもないですよ。それと費用だけじゃなくて、じゃあアレバの技術で本当に例えば高濃度の汚染水の移送、汚染処理が全部できるのか。六ヶ所村の技術を見たら不安と言わざるを得ないので、これアレバがやるからいいよねっていうんじゃなくて、政府も私たち国民も当然監視しなきゃいけない。具体的には、例えば原子力安全・保安院ももう困った存在になってますが、保安院の中には技術者がちゃんといるわけだから、ちゃんと現場に行ってアレバと一緒に見て下さいねと、放射線を怖れて行かないんじゃなくてちゃんと行って下さいねということを、改めて申したいと思います。
「ぼやきくっくり」さん引用ここまで↑=========

くっくりさんのところではこれ以外にも
もっと知っていただきたい内容がたくさんつまってますので、
ぜひ全文、そして他の記事もご覧になることをおススメします。


ということで、この
汚水処理浄化でアレバ社の技術を取り入れる件で、そのアレバ社に支払われる費用に言及したニュースは、このスーパーニュースアンカーで初めて知りましたし、アレバ社が信用できるか疑問というのも、六ヶ所村の施設で費用が膨れ上がっているのも初めて知りました。

で、わたしは特にこの
元々の費用7600億円はどこから出た数字か、ちょこっと調べてみましたよ。

で、これかな~、というpdfファイルを見つけました。

原子力委員会 新大綱策定会議 (第4回)
日時:平成23年 2月21日(月)15:00~18:00

青山繁晴さんは新大綱策定会議の構成員でもいらっしゃいます。

会議配布資料
六ヶ所再処理工場の現状と今後の見通しについて (pdfファイル)

(一部抜粋、画像をクリックすると拡大されます)

22ページ
「再処理施設の工事計画」変更の地元の受け止め方
気になる☆気になる☆-日本原燃 六ヶ所再処理工場 22p


28ページ
国内外の技術を結集
気になる☆気になる☆-日本原燃 六ヶ所再処理工場 28p


29ページ
再処理工場の建設費の推移
気になる☆気になる☆-日本原燃 六ヶ所再処理工場 29p

というように、確かに平成18年には2.19兆円とありますね。
議事録読んでないんで
全てアレバ社が持っていってるのかわたしにはわかりませんが、
相当な額です。

こういった現状も、しっかり見つめていくことが大事ですね。

ホクホク顔のロベルジョンCEOの、その裏には何かある、
ということと、
汚染水処理はタダではない、いつの間にか日本政府が
サポートすることになっていることも、
しっかり記憶しておかなければならないと思います。



青山繁晴 独立総合研究所代表取締役 原子力防護専門部会構成員
青山さんの個人ブログ:ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
(右サイドにもリンクしてます)



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