絵本-ろ
- ロジャー=デュボアザン, くりやがわ けいこ
- ロバのロバちゃん
46P/26cm/偕成社/1969年初版/読み聞かせにかかる時間-10分程度/季節-春~秋。ロバちゃんの大好物のあざみの花が咲いている季節がいいですね。
ある日の事、ロバちゃんは馬のパットくんと小川で水を飲んでいました。
すると、パットくんの耳がとても格好良く見えて
自分の耳がとっても変に思えて哀しくなってしまいました。
それからは、犬のヘクターくんの言ったとおりにしてみたり
こひつじのムクゲのムクちゃんの真似をしたり
豚のローザおばさんに相談してみたり。
結局、思うとおりの耳にはならずしょんぼりしていました。
そこへ、すずめのダニエルくんが飛んできて
「ロバはロバらしくするのがいいよ。」と言って
飛んでいってしまいました。
ぽかんとしていたロバちゃんを見た女の子に
「ほら、おとうさん、かわいい ロバちゃんね。
おみみが とっても すてき!」
といわれてご機嫌になりました。
今では、耳をぴんと立てた幸せなロバになっています。
ロジャー・デュボアザンは
1904年スイスに生まれましたが、1925年にアメリカに渡り
1980年に76歳で亡くなりました。
奥様ルイーズとの共作『ごきげんなライオン』をはじめ、
『がちょうのペチューニア』シリーズや『ワニのクロッカス』など
動物を主人公にした作品が有名な作家さんです。
今回紹介した作品は、初期の作品の一つで、
自分らしさを大切にしようというメッセージが
さりげなく込められているように思います。
大人になっても周囲を気にしすぎて
身動きがとれなくなってしまうことがあります。
丁度いいくらいの自分らしさが大切かなと思います。