「オイッ」

聞いた事ある声が僕を呼びつける。
声に気づき、下を向いてた僕は
目線を足元から体、顔へ見上げると
呆れたように、また口を開く。

「なんで、それでくるんだ、キル?」

「王子…僕って」

「は?気づいてねぇって思ったか
分かるだろ、そのくれー?
大体中学の時、見に行ったし…」

王子から僕にはなしかける光景は
元から学院にいた生徒たちには
不思議な光景だったのだろう
誰?誰?と騒ぎ立てる
しかし、僕側としては嬉しくて溜まらない。
姿関係なく王子は…

「俺の昔からの大親友」

と言いながら真横から抱きしめる
人目なんて気にしないとこがまた良い所

「いじめたら、許さない」

ええっ?って吃驚するくらい
僕の事守ってくれる僕の王子様…
そんな僕らを見てたアレクたちは

「ま、恋人なんていえねーやな。」

「姫ってばらしたくないみたいだし」

他人事のようにじっと見ていたという。
それから数時間たち、
僕は自分のクラスへ向かう事になった。
席はどうやら自由席で…
教室を見渡せば、
もう仲良しグループが出来ている。
そういうのは中学でこりごりした僕
どこに行っても仲間外れだからね
人が集まってない机付近に行き
隅っこに座ろうとしたとたん

「じゃ、俺はキルの隣を確保っ」

王子が隣に座ってきた。
が、何故…?ここ1年のクラスだし

「え?え?王子って年上じゃないの?」

「お、お前なー…」

同じ年だなんて…大人っぽいから

「別に上の学年に編入してもいいけどさ
俺はお前と同じ学年で嬉しいし
キルは俺がいなきゃな…」

俺は内心嬉しいんだ。
中学じゃ隣無理だったからな…
だから、黒猫中からこの学院に
編入してきたのはキルだけってのも嬉しい
近くにいても俺が中学の頃に戻る事なく
王子でいられるんだ。

「そうだ!!今日は昼前で終わるし
校内案内してやるよ。
1人じゃ広過ぎて迷うだろうからな。」

つづく