今日から高校生である。
青緑色の警官服のような学生服に
身をつつみ、眼鏡をかける。
が、まだベットから出てきた彼は
眠たそうにアクビしながら
裏から出てきた僕を見つめる。

………
「着替えないの?」

「あぁ、俺はまだ…」

そう言うも、もう7時を回っていた。
急がないと入学式早々遅刻になる。
彼の学生服が見れないのを悔やみながら
闇勝ビル近くの駅に向かう。

案外その道は遠く
僕の家は白猫町付近にあるため
歩いて向かっても30分以上かかるだろう

僕が通う闇勝学院は町全体地下に
広がる巨大都市と言っても過言ではない。
いわば、もう1つの黒猫町だろう…
地上の領土が小さなくても
地下と合わせれば莫大な面積になる。
しかし、地下に広がる学院に入れるのは
特例の場合と生徒や先生のみであり
幼稚部から大学まで「教育」は全てある

「あ、アレク兄、プルート兄」

スターマジック僕の従兄弟で
双子の歌手もここにいる。
もちろん芸能科である。

「いやー、あいつのことだから
一緒の学校にすると思ってさ」

あいつ?

アレクがそう言いながら
人だかってる方へ向けると
王子がそこにいた。

「きゃー、きゃー
久しぶり、王子っ」

久しぶり?その言葉に少し引っかかった
ずっとここに通ってるって
噂好きのナナがそう言ってたはず…

「お、王子のとこ行かないの?」

「う、うん。いくら王子でも
流石にこの姿には気づかないよ」

髪を結び、眼鏡をかけてる。
そう苦笑いしていると
ずっこける音が聞こえた気がした

「王子ー、どうしたの?」

どうやらコケタのは王子のようだ

「…~っ」

ってそのかっこうかよ。
芸能科なんだから姫でいいだろっ

つづく