昼過ぎ…レストランで昼食を食べていると
このパークのスタッフらしき人が
2人に気づき声をかけてきた。

「あ、姫と王子っ来てたんだ?
ちょっと来てくれる?
今、ヴァレンタイン祭でね
お似合いのカップルに
舞台上立って貰って参加して頂こうって」

お似合いの…

「キ…」

黙々と無言で食べている姫に王子は
声をかける。

「姫、いいよな?行こうぜ?」

……

姫は立ち上がるのを見て、
王子も一緒に立ち上がると、
ボソリと姫が聞こえないように言った。

「カップルじゃ…」

まだ、いうか…

けれど、内心…彼から「行こうか」の
言葉が正直嬉しかったりする。
王子のふりしてるから
そう言ってるだけかも知れない。
それでも、ドキドキして…
今の時間だけ、彼とカップルに見える。
君の隣にいるのは僕。
君の眼に見えるのは僕だけ…

舞台上上がろうとすると
ガヤが2人を見てざわめき始める。

このパークのヴァレンタイン祭
いつもは女から男への気持ちだけど
この祭りは
男から女へのお礼や好きの気持ち。

「言いたい事…」

一番伝えたい事。
王子の姿じゃないと伝わってくれない言葉。

俺はそう思うと自然に笑顔になり
姫の方に笑いかけ、こう言った。

「大好きだよ。
数年後は彼氏じゃなくて夫になりてーな」

!?

「おっ…」

解散し、舞台から降り、
また2人きりになると
さきほどの事を突っ込み切れずに
いられなかった。

「ケイ君何って…」

「言ったろ、シスコ…ンってさ?
それとも本気にした?」

分かってるような悪魔の笑顔で聞いてくる
僕は驚きと焦りからか目がキョロキョロする

「それはそれで嬉しいけど?」

え…

「お前が叩かなきゃ、俺毎日でも
お前とキスしたいし、触れるんだけどな」

なっ…

………

………

な、なにいってんだーっ

「そ、そんなのケイ君の
好きな人に悪いよ…」

「だから…」

「僕じゃない、でしょ?」

何度言っても、信じてくれない。
からかってるように聞こえるからだ。

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つづく