「したっていいじゃん」





キスー…

両思いじゃなきゃ…
初キスなんて、あげない…
付き合ってなきゃ…

1人足取り重く歩いていると
腕をぎゅっと捕まれ引っ張られ
足がそっちの方に傾く。

後ろからぎゅっと抱きしめられた。

「姫、にげんなよ?全然回ってないだろ
って…ぎゅってされるの嫌か?
嫌なら、しねーけど」

彼はいつものように僕を触る。
それが当たり前で…
だから、そんな事言えないのが本音。

「…さぁ」

「さぁって…王子みてぇに
触ろうと思ったが…」

………

「触った…」

彼の顔が見れず、真っ赤になり
下を向き、そう言った。

彼はとぼけるような声で返した。

「は?俺がいつ?」

「耳…とかぎゅってした」

「ははん、やっぱり、ぎゅってされるの
嫌なんじゃんっ?」

ーっ

「ちがっ」

僕は彼の返答に顔を上げ
否定するようにそう言った。

「え?ちがうって…」

否定した事によって
彼が少し照れながら、僕の解答を待つ。

「あっ…」

バレてはいけない思いが飛び出てしまい
おもむろに口を左手で抑える。

「それって…」

そして、無言のまま背中を向け
その場から逃げるように立ち去る。

「あ、待てよ…っ」

すぐさま彼は追いかけてくるが
姫は一切喋る事なく
彼と2人で歩き、回って行く。

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つづく