佳奈がどうして
自分の心をあいつに盗まれたか。

私には分からなかったけど。

後日佳奈は話してくれた。

告白してきた彼は佳奈も好きだった
相手だったけど、佳奈の性格上
そういってしまい逆上した彼の言葉に
傷つき心に隙間が出来たらしい。

その瞬間、
あいつは心を盗んだ。

「じゃあ、彼はもういいの?」

「えぇ、なんだかスッキリしたわ。」

両手を空へ伸ばし背伸びをする。

そのままベンチに座る。

「佳奈…私…」

言えない秘密が出来てしまった。

言ってもきっと信じてくれない。

あのハートは“あいつ”と
精霊に選ばれた私しか見えない。

「やっぱり、なんでもない。」

私は首をブンブンと降り、こう言いながら
屋上から出ようとした。

「じゃ、私…用事あるから。」

空かよく見えるのに
所々ハートが飛んでて
それを見るたびあいつがむかついて。

だから、かな?

私の思いが青い精霊に通じたのか
頭の中に響く声は姿として見えるように
なった。

青い精霊ジュバ。

3つのうちの1つの青い球体。

「手伝ってくれるのね。」

佳奈がまだ見えるから
コクンとしか返事出来なかったけれど…

「空音?」

佳奈が何かに気づき
こちらに歩いてきた。

「どうしたの?」

「…あの」

佳奈はジュバがそこにいるのを
分かってるかのように
目の前をキョロキョロと見渡し

「この人…誰?」

「っ!!」

佳奈もジュバが見える…って事は
佳奈も私と同じ…

じゃない

それところじゃない

「ごめん、佳奈っ」

右手で彼女の心臓あたりを抑えると
魔法がかかったように何かが佳奈へ
流れ込む。

自分の正体をバラせさせない為の眠りの力。

空音はそのまま屋上を出て
ハートを追いかける。

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つづく