数年前、あの時もここに迷って
クローバーを探す彼女が頭に浮かぶ

「王子ー見つかったー?」

「全然だな」

今のキルよりも可愛くて
髪を下ろしてて姫の姿だから眼鏡もなくて
軽い足取りで俺についてくるのが
本当に可愛くてしょうがなくて…

「見つかったら、幸せに
なれるんだよ」

でも、いつも困った顔して
それは今でも変わらないけど

「…俺は十分幸せだけど」

「え?」

「別に…つーか、そろそろ帰ろぜ?
雲行きあやしくね?」

王子が空を見上げてそう言うと
ぽつんー……
一滴、空から落ちてきて
数秒のうちに土砂降りになった
2人は雨で服や髪の毛はびしょ濡れ
その時である王子が姫の手をにぎり

「あそこの建物で雨宿りしよう!」

そう言って、駆け足であがりこむ
入った建物は教会だった。
キラキラと光るスタンドガラスに
神に誓うかのように天使と女神の絵柄

「あ!四つ葉のー」

彼女が神父が立つ机の前に誰かいるのを
気づいた
彼は4つ葉のクローバーを器用に指先で
クルクルと回していた。

「妖精?」

「明らかに人だろ!!」

王子は完璧な突っ込みを入れたとたん
彼がこちらに気づいた。

「ひ、姫!?」

「う、うん」

彼は幼い時のセイだったのだ。
セイは姫の大ファンである。
姫に近づこうとしたが王子が間に入る

「こら、お前近づくな!!」

「王子!?」

王子が間に入るものの
姫はセイがもってる四つ葉のクローバーが
気になってしかたがなかった。
沢山、探しても見つける事が出来なかった
四つ葉のクローバーが目の前に
あるのだから

「欲しいならあげよっか?
いいって!すぐに見つかるからさ。」

つづく