「王子・・。」
その時である。
あの時と同じように声がし、のぞくように
彼女を見つけたのである。
「・・そこに居たのか?」
ひょっと、いきなりのケイの登場に
ドキンと吃驚した。
彼は手を招くように動かし、彼女を誘った。
「おいで、キル。」
でも、彼女はすぐには立とうとしなかった。
彼は制服姿で探し回っていたのである。
「学校は・・」
もちろん、その言葉が出てしまう。
「んー・・・ズル休み?」
:え、えぇえええ?
ケイはそう言いながら、彼女の手を引っ張った。
そして、手を握ったまま、2人は家に帰ることにした。
「昨日はあんなこと言ってごめんな。
でも、先輩と2人きりにさせたんだから、感謝しろよ?」
誤解なのに、違うのに。
だから、どうしても言葉に出したかった。
キルの好きな人はあなただから。
「・・・あのね、先輩とは別れたから。
でも、それでも先輩は・・・。」
キルのことが好き。
姫似だから好きなのもあるかも知れない。
「キル・・・。」
彼はそう言うと、キルの足をひっかっけ
倒れ間際にひょいと受け止め
さらっと、お姫様だっこをした。
「熱あるから早く帰ろう。」
「・・・。」
「おんぶがいい?胸当たるけど?」
「お、おろしてっ!!」
「んー?ちゃんと掴まってないと
キスすんぞ?」
顔が近い。ドキドキが止まらない。
でも、掴まらないとキスされる。
それもいいかも知れないって思ってしまったけれど、
彼女は手を彼の首に巻くように置いた。
なぜなら、彼には好きな人がいる。
それはキルにも分かっている。
ーーー・・・京都のとき、そう知ってしまったから。
キスなんて出来ない。彼氏になれない。
一緒に暮らしてるだけ、それだけで満足。
そう思ってた。
きらレボ2次小説。宙人君メイン金曜限定
読み終わったらポチっと応援!励みになります