ある日の日曜日。
いつものように、キルはぐっくり、寝ていた。
パチリと眼を覚ますと、いつかのように
ケイが四つんばいになって、キルをじっと見つめていた。
それはありえないほど、顔が近くて・・・・。
:なっ!さけてたくせに、なんだこれー!?
「おきねーと、襲っちゃうぞ、キル?」
「・・・お、襲うって?」
「お前、本当・・・何も知らないんだな。」
ケイはそう言いながら、自分のベットへ行った。
それから、学校の帰り道。
キルはまた誰かとぶつかった
「大丈夫っすか!?」
その声には覚えがあった。キルはその人の顔を見ると、
:レオン君だけっな・・・
「ってギルド。この前は本当、ごめんっす・・・。
おわびにコレあげるっす!
ギルドの誕生日ってたしか・・・
プロフィールにそう書いてあったっす!!」
レオンはそういいながら、小さな紙袋を彼女に渡した。
:プロフィールって姫の・・・?バレてる?
「あっ。またっす!」
レオンはそう言いながら、去って行った。
それから、キルは1度家に帰り、セイ先輩が居るフォルテへ
向かうことにした。
「いらっしゃー・・・ってギルド。今日はどうした?」
セイはそう言いながら、キルを迎えてくれた。
「お、おもちかえりで。」
「お持ち帰りって、いつも、ココで食べてくのに?」
・・・・
「僕の誕生日だから、その・・・自分へのご褒美。」
自分で作ったチョコケーキではなく、
ここスイーツ店でのチョコが自分にとってのご褒美なのだ。
「誕生日、いつ?そういや知らなかったわ。」
「・・・えっと。」
キルはセイに自分の誕生日を告げた。
「え?すっげぇ!姫と同じじゃん!姫似でも嬉しいのに!!」
先輩はあまりの嬉しさにキルの手を持ち、
ぶんぶんと上下に振る。
:姫だなんて、言えない・・・
そして、手を放したとたん、セイは真面目な顔でこう言った。
「俺、決めたよ、ギルド!」
「?」
「お前の為に、特別なケーキ作ってやるよ!
それで、誕生日の日、俺がギルドの家までケーキもっててやるよ!」
「それは・・・っ!」
ブルーガ君と暮らしてるのバレたら、周りになんて言われるか
それが怖くて、今まで何にも言えなかった。
ブルーガ君のことが好きな人、自分以外にもたくさんいるから。
だから、こそ隠してきた。ブルーガ君の為にも。
「決まりな?住所はえっと・・・引っ越してないなら、
部の時と一緒だよなぁ~♪」
:あううううう!!!どーしよっ!!?