一緒に寝るなんて、この間だって、
王子の時、こいつと一緒に泊まるのは絶対なのに
なんだ・・・?
俺を見つめる、その照れたような、その顔が・・・・
俺を見つめるその目線が・・・・
ドキン・・・っドキン・・・っ胸の鼓動が早くなる。
ドキン・・・っ、苦しいような、胸の鼓動。俺はギュッと胸を掴む。
そう、ルルスが言ってた事をふと思い出したのだ。
:好きっていうのはな・・・その子と居るとドキドキしたり、
一緒にいたいとか、触りたいとか・・・・
誰にも渡したくない・・・胸が痛む。それがヤキモチ、その子が・・・
:あ・・そっか
渡したくない・・・あいつだけには渡したくない・・・
キルは・・・俺の、俺の・・・初恋なんだ。
約10年前、母さんの友達の葬式で会ったキルを見て、
欲しいから、一緒に居たいから、
気になって追ってるんじゃなく、俺は・・・・あの時からずっと
キルが好きなんだ・・・。
「にゅうん・・・ブルーガ君」
いきなり、寝言で俺の名前を呼ぶもんだから、愛しくて
ドキドキが止まらないのに・・・・
俺は昨日の言葉を思い出した。
「好きって思ったって、アイツにはーーっ!!」
・・・・俺って、本当・・・バカだよ。
こんな気持ちに気づくのに約10年もかかるなんて・・・・。
なのに、キルには好きな人がいる。
「俺は・・・一生叶わない恋してたんだな。」
でも、それでもーー・・俺はキルが好きなんだよ。
ゆっくりとケイはキルの唇にキスをした。
「キル・・・。」
悲しくて、悲しくて・・・涙が出てるなんて分からずに
ケイは彼女にキスをした。
翌日。
キルは眼を覚まし、がばっと体を起こす。
それに気がついたのか、キルと逆の方を向いてたケイは
顔をキルの方へ向ける。
だか、眼があったとたん、ぐるんとおもっきり、避ける。
そして、ケイは眼を合わせないように、こう言った。
「お、お前、皆が来る前に帰れよな。
たとえ、ここが皆と部屋が別れていようが・・・・。」
キルはこくんとうなずくけれど、ケイはちっとも見てなかった。
「・・・。」
キルはそのまま、無言で退室した。
重いため息をしてる彼を見ながら・・・・
:くそっ・・・・駄目だ。顔みれねぇ・・・っ!
いきおいで、何かファーストキスしちゃったし、何してんだ、俺は?
それから数時間後。修学旅行も終わりが近づく。
ナナはケイと一緒に着替えているキルを待っていた。
「あれ?ケイ・・?眼にまくが出来てるよ?
寝てないとか?」
「・・・1日ぐらい、どーてことねぇよ。」
そこへキルがやってきた。
「あ、キル!着替え終わった?」
気がつくように、ケイもキルの方へ向く・・・が、
すぐさま、ぐりんとあきらかさまに顔をまげる。
そんなケイを見て、ナナはすぐにニヤつく。
:はは~ん、昨日何かあったなあ?