王子に扮するケイと一緒に回って行く。
いろいろ古き建物が目立つ街。
キルとしてはナナが回る場所を決めていたので
行きたいトコなんてちっともなくて・・・
リードしてくれるケイの思いのままであった。
ただ、数歩離れて後に歩くキルをちらほらと
気にしながらケイは前を歩いていた。
「キル、ほら!写真とれよ。」
ケイはせかすようにキルに言うものの
キルはちっともカメラを取り出そうとせず、
じっと、空を建物を見つめるだけだった。
何を言わず、いつものように無言なのだ。
ケイはそんな無言のキルを分かってるのか
カメラのことを問い詰める。
「ん、だよ。壊れたなら言えよ。買いに行くぞ。」
ケイはそのままキルをつれ、店へ入る
:買いに行くって・・・
「んー?どれがいいか?どれでも好きなの買ってやるぞ。」
:これじゃ、まるで・・・本当に
キルは言葉の通り、店内のカメラをじっと見つめる。
そして、ふと手にしたデジカメをケイが見ると
すぐさまケイは声をかける。
「これが欲しいのか?じゃ、買ってやるよ」
欲しい、買って、そんな一言も言ってないのに
ケイはキルがふと手にしたデジカメを持って
レジに向かう。
「支払いはコレで。」
ケイはサイフからカードを出した。
そのカードを見せるだけで大抵の店はこれで買えてしまったり
予約いっぱいな旅館でも無理に部屋を開けてしまう代物・・・・。
闇勝の1人息子なだけある・・・。
それから、ゆっくりと写真を撮り、堪能する。
「キル、そろそろ戻ろうか?ちゃんとメガネかけてな?」
旅館に戻ると噂が噂を呼び
「ね、ね!聞いた?
王子と姫がデートでココに来てたんだって!」
「知ってる、知ってる!」
そんな噂もナナとルルスの耳にも入るわけで・・・・
「ちょっ・・なにやってんの?」
「いやージャマされたくねーし。
このままだったら、冷やかされて楽しくなかっただろうし。」
キルが運良く居ない時、ケイと一緒に話していた。
:デート・・・っ
僕は嬉しいけど・・・ブルーガ君なんで、あんなこと
キミはどうして2人きりだと、こうも違うわけ?