明日はヴァレンタイン・・・・
父の子連れ再婚で
せっかく好きな人と一緒に暮らしてるんだから
彼にあげたいなんて・・・・
ケイが学校から帰って来た。
キルよりも遅く帰るのは王子としての仕事を
部活としてキルが思ってるから、全然気づかない。
「ただいまー、って何してんの?
・・・チョコの匂い?」
台所からチョコレイトの匂いが充満していた。
眼鏡をかけ、エプロン姿の彼女。
でも、ケイは分かってた。あげる相手くらい・・・
「・・・あぁ、なるほど。明日、先輩に渡すのか。」
ケイは未だ勘違いをしていた。
キルがセイ先輩と付き合ってること・・・・・
「ちがっ!お、王子だよっ!」
キルのその言葉にケイは少し無言だったものの
すぐさま口を開けた。
「・・・・・。じゃ、俺へのチョコはねぇってわけか。
ーーーま、いらねぇけどな。」
:え・・・。
そ、そりゃあ、そうだよね、
こんな、僕のチョコなんか要らないよね・・・
:俺へのチョコなんか、言わなきゃ作ってくれなかったくせに。
俺は本命が欲しくて言ってたのに・・・本当、むかつくよ。
彼氏なんか作りやがって・・・っ
「お前は先輩にだけあげてればいいんだよっ!
俺に・・・王子になんかあげる必要ねぇよっ!!」
:えーーー・・・
翌日。
キルは去年と同じく、言われる前に王子に渡すことにした。
「おーじっ!ヴァレンタインチョコ!」
箱詰めされた手作りチョコを王子に差し出す・・・のだが
王子は受け取ろうとしなかった。
「王子?」
「他のやつにやれよっ!」
その言葉にキルや他のスタッフ、社長までもが
吃驚していた。
キルを姫にさせた年からチョコくれといい続けたからこそ
王子の発言には皆が吃驚するのだ。
姫は寂しそうに、椅子に座り、箱詰めされたチョコを開け
皆にわける。
「姫・・・・。」
:ブルーガ君の言うとおりだね、美味しくないのかな?
そして、自分の口にもほおばる。
「いいの?姫のあのクッキーいつもより。」
「え?」
ケイは寂しく食べてる姫の横からすっと手を出し
「・・・そんな顔してるなら、1つ貰ってやる。」
そう言って1枚食べた。
「王子・・・。」
でも、無言なのは変わらない・・・・。
と、思った矢先。
「キル・・・いつもより、美味いんだけど?何か隠し味使った?」
:いつもより、美味い!?
キルはおもっきり首を振った。
美味いとか美味しいとか言ってくれなかったから
全然スイーツ作るの自信がもてなかった。
「チョコの苦味じゃなくて、何か、別の・・?」
:去年とは全然違う・・・
なんなんだ、今年のチョコは・・・?
「僕の世界」
特別編。まれにエロ王子(18禁)です
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