行かないで・・・嫌わないで・・・


いっちゃやだーー・・・


泣き虫姫君「にゅ・・・。」


キルは寝ながら涙を流していた。


そんな姿をケイは自分のベットから見つめていた。


彼はすでに制服姿だった。


眼鏡の王子様「おい、キル!起きろ。今日は登校日だぞ?」


そう、今日は夏休み、登校日なのだ。


ケイはそう言いながら、キルの体をゆすろうと、


触ってみると・・・


眼鏡の王子様「キル・・・?」


触った瞬間に感じた体温、いつもと違う暖かさーー・・・。


泣き虫姫君「ん・・・にゅ。」


キルが目を覚めたようだが、キルは目の前の光景に


ビックリしていた。


照れる姫君:なっ・・・!?


眼鏡の王子様「やっぱり熱あるな・・・」


そう言いながら、ケイはキルのおでこと自分のおでこを


くっつけていた。


眼鏡の王子様「って、お前起きてたのか。」


すぐに顔を離れさせた。


困る姫君:熱・・?


眼鏡の王子様「今日はねてな・・、な?」


ケイはキルの頭をぽんと叩きながら笑顔で答えた。


夏の風邪
『夏の風邪』

それから、数時間後、ケイが学校から帰ってきて、


夜になった。


ナヤ「キルは?」


キルの父も帰って来たようだ。


眼鏡の王子様「ねこんでるよ。」


ナヤ「またか。」


眼鏡の王子様「また?」


ナヤ「ああ、この時期になると、熱を出して寝込むんだよ。

たぶん、母親が死んでからだと思うけど・・・。」


眼鏡の王子様:・・・だから、泣いてたのか?


ナヤ「実はキルが大事にしてる人形も・・。」


王子に貰ったやつじゃなく


それがないと寝れないと言っていた人形である。


それは幼き頃、母親から貰った人形。


眼鏡の王子様:その人形のかわりって・・・俺って一体?




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