コンサートも終わり、キルはセイと2人で夜道を歩いていた。
何度も何度もつばを飲み、
言わなきゃって思っていた言葉。
「すごかったな、コンサート!
もう夜遅いし・・・うち泊まる?」
:あ・・・
「あの先輩、その・・・」
キルは勇気をふりしぼって言った。
別の人と行こうとした事。
「その別の人って・・もしかして、好きな男?」
その先輩の言葉にキルはびっくりした。
キルの真っ赤な表情にセイはすぐに分かった。
「・・・そっか。
俺じゃないやつ、好きになったんだ・・・。」
セイは悔しい思いっていっぱいだった。
初めて姫意外の女に本気で好きになった相手
だからこそ・・・・
「ギルド、本当にソイツのこと惚れてんだな。」
応援しなきゃいけないって思う。
セイはそう言いながらキルの頭をぽんと叩いた。
「がんばれよ、ギルド。」
そして、セイはキル1人残し、帰って言った・・・。
:一方的に付き合った先輩よりも王子やブルーガ君の
顔が頭にうかぶ・・・あれ?ブルーガくんは分かるけど、
なんで王子が出てくるんだろう?
に、似てるからだよね?
なんて思っていたら、ケイが声をかけて来た。
「・・・キル?1人?」
:コンサート終わってからずっと
探してたなんて言えないけど、よ。なんで・・?
家の外で声をかけてくるとは思ってなかった。
クラスの人に見られてるかも知れないのに。
「先輩は?・・・彼氏なのに家まで送ればいいのに。」
ケイはそう言いながらも苦い顔をしていた。
彼がキルに声をかけたときには
もう、先輩は遠くへ見えないと事まで歩いていた。
ケイには分からない距離だったのだ。
:キルが止めたのか?俺と暮らしてるのバレるから?
キルは・・・俺と暮らしてるのイヤなのかな・・・?
家に居ても、必要な時だけで
口数なんて学校と対して変わらないし・・・。
キルも苦い顔をする。
:彼氏じゃなくなったのに・・・
だけど、いつも困った顔をしてるから、
ケイはちっとも気づけないで居た。
少しキルの顔を見た後、先に歩いて行ってしまった。
だが、少したったら、すぐに立ち止まった。
「おい、キル。帰るぞ。」
:あう
ケイの言葉にせかせかと歩き始めた。
2人とも無言だった。
キルはいつもにまして言えないような空気を発している。
だけどーー・・・
ケイはキルの顔を見るたびに思ってしまう。
:なんで、俺の誕生日に先輩と2人きりで過ごすんだよ!
ムカツク・・・、ムカツク・・・っ!!
「キル」
呼ばれた。とっさに顔を向ける。
:これからの時間は2人きりだから、な。
なんて、彼氏もちのお前に言えるわけないけど・・・。
「なんでもねー・・・よ。」
「・・・??」
涙が出そうなケイの表情もキルにはよく分からないでいた。
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