3学期。
冬の風が肌を通る季節。
いつものようにセイと写真を撮っているキル。
校庭にはちらり、ちらりと雪が降っていた。
「雪だな。雪降ってると、いい写真取れるんだよなあ・・。」
セイはしぶしぶと空から舞い落ちる雪を見ていた。
:夏の海はナンパされるし・・・
:ふーん・・・・
「くしゅっ」
くしゃみが出た。
そのくしゃみですぐにセイは反応した。
「ギルド、風邪?・・・・。」
「くしゅっ」
また、くしゃみが出る。
「コートとか着てくれば良かったのに。」
そう言いながら彼は自分の着てるコートを
後からキルにはおってあげた。
「これ、着てな。」
「いいーっ!」
キルはすぐに返したが
「じゃあ、こうする。」
そうセイが言うと、自分で着て、
キルを自分の胸の中に包み込むように抱きしめた。
そんな2人の姿を見ていたヤツがいた。
コロコロと転がるテニスボール・・・
「オイ!ケイ!!ちゃんと打ち返せよ!」
「・・・・。」
彼の目線の先にはセイとキルの姿。
しかも抱き合ってる2人。
:練習になんねー・・・
「ケイ、誰見てるの?」
ケイの取り巻きであり、ケイに片思いしてる黒髪のマイと
ケイの友達であり、王子と知ってるオレンジ髪のルルス、
有名芸能人王子と隠してる、女の子に人気な
恋ににぶちんな黒髪のケイはテニス部だ。
外で写真を撮っているはずの2人を見てしまう。
いや、外で写真を撮るキルを見るために
たまにテニス部の練習をする。
だけど・・・・あんなキルの姿を見たら
ケイ曰く王子の時も機嫌が悪くなりーー・・・
「王子、どうしたの?」
「べつにっ!!」
あきらかに怒ってるのが丸分かりだ。
それでも、キルはいつものようにこけてしまうわけで・・・・
・・・
「ほらっ。」
怒ってても助けてくれるのは変わらない王子でした。
「僕の世界」 特別編。まれにエロ王子(18禁)です