今日から冬休み。
キルは先輩と一緒に写真を撮っていた。
姫との仕事が空いたからだ。
「・・・な、ギルド。
もう、今年も終わりだけどさ。何処か行ったのか?」
「・・・。」
「あんまり部活も来ないしさ・・・?」
セイとキル。2人きりの写真部ーーー・・・
:それはーー・・・
CM撮影のためにゲレンデに来ている。
:あの人上手いなあ・・・
遠くから1人の男が滑ってくる
上手いのに初心者のキルが見える範囲で滑っている。
ガヤの声がざわめく中、そんなの関係なく、その彼は
こっちへすべってくる。
:え・・・こっちに近づいてくる?
ゴーグルを髪のほうにあげこうキルに言った。
「暗くなって来たし・・宿戻ろうぜっ」
ゴーグルをあげた姿にガヤの人はざわめく。
:お・・・・
「王子!?って事はとなりにいるの・・・」
自由時間に遊んでる姫達に
ガヤがこっちに追いかけてくる前に王子は姫をかかえ
一緒に宿のほうへ滑った。
「行くぞっ!!」
泊まりでCM撮影に来ているのだが
・・・・なぜか姫と王子は同じ部屋。
初の泊まりロケで・・2人部屋で・・・
ちらり
ちらりとキルは王子を見る。
:どうして・・・
「なんか用か?」
その言葉にキルはブンブンと首を振る。
「もしかして意識してんの?」
王子はそういいながらくすくすと笑った。
「し、してない!」
姫はそう言ってふとんのなかに潜ってしまった。
別々のベットだけど、どうして王子と一緒なのか?
:男と2人で寝るなんて・・・友達とはいえーー・・・
「にゅうにゅう」
:キル・・・・
キルはいつものように変な寝言を言いながら
眠ってしまった。
そんな寝顔に王子は思ってしまう。
:何があってもお前だけは守る・・・
それが王子のつとめ・・・・笑ってくれるならーーー・・・
そう思うと悲しい顔になっていた。
そんな顔が気になって目を覚ましていた
キルは声をかける。
「王子?」
「お前、起きてたのかよ。早く、寝ろよ!」
「あっあのね・・・そっちで寝ていい?」
そう言いながらキルは体を起こす。
:!!!!
「いつも一緒に寝てる人形なくて安心して寝れなくて、
その・・だから・・・変な事言ってるかな?」
「わかったよ、ほらっ!」
王子はそう真っ赤になりながらキルの手をつかむと、
自分が寝るベットへ連れ込んだ。
腕枕をさせ一緒のベットで寝ることにしたのだが・・・・
:・・・・なんだこれ?
なんか・・・心臓の音がいつもより速い・・・
ドキン・・・ドキン・・・ドキン・・・
:なんだろう・・・人形ないのに・・・どうしてかな?
なんでこんなに安心するんだろう・・・?
いつのまにかキルは目をつむり眠っていた。
安心して眠ってくれてるのだろう・・・