今日は図書室に居る。
:お菓子の本ないかな・・・。また今年の言うだろうし。
こっちからしかけちゃお。
王子は毎年のように言ってくるのだ・・・。
バレンタインの日、チョコくれって。
そんな悩んでるキルの姿をちらみしてるのはケイだった。
キルが図書室へ行くのを見かけたため追いかけたのだ。
もちろん隣にはルルスの姿。彼は呆れながらケイを見ていた。
そこへセイがやってきた。
「あ、ギルドっ!」
:先輩・・・?
その声にケイはすぐに反応する。
そしてセイはキルの隣に座る。
「なになに?お菓子の本?なに?お菓子作るわけ?
俺も作るよ~お菓子。まあ、ジジィに教えて貰ったからさ。」
ジジィとは育ての親である、あのフォルテの店長だ。
育ての親と知ってから数年後、そう言い始めた。
:そーなんだ。
「でさー・・誰にあげるわけ?その、作ったやつ?」
:い、言えない・・・王子にあげるなんて・・・。
「・・・・。もしかして好きなヤツにあげるのか?」
その言葉にびっくりした。
「!!!??」
「---っ!」
ケイはそのセイの言葉を聞いて図書室から出て行った。
「オ、オイ!待てよっ!!たく・・・っ」
:好きな人・・・?
「いないよ?」
「いねぇの!?」
キルの言葉にセイはぱああと明るくなった。
キルはこくんこくんとうなずく。
本当に居ないようなキョトンとした顔。
そんなキルの顔にルルスはケイを追いかけることにした。
「マジで?」
:・・・誤解解かなきゃな・・・仕事に影響出るかもしれねーし。
そして彼はため息をしながら図書室を出る。