アガナは新しく彼の元に配属されたウエリアとともに居た。
でも彼は悲しい顔だった。
そんな顔にウエリアは心配そうにアガナに話しかけた


「なんでそんな顔してるのさ、楽しまなきゃね?
なんで笑わないの?」


「笑いません。」


「おかしーな。お、覚えたって聞くのに。」


「そうかも知れない。けど・・分からない・・・。」


ベルシナと昔から知り合いのはずなのに
記憶に残ってるのは名前を教えて貰った、あの日から・・・


「なにが?
あなたはただ1人の本物に近いロボットって聞くけど。」


「ロボッ・・ト俺は・・・」


アガナの目が赤く光る


「俺は人間だ!」


そうウエリアに怒鳴りつけた。


「もう、心は閉ざされない。
俺はもう知ってる・・目がなくても・・。」


目・・プログラムの目を取ったら

彼は記憶喪失の記憶から居なくなることになる
もし、取ってしまったら・・・


「アガナ、何を知ってるの?」


「教えない。言っても信じない。
俺がこうなったこと・・・。」


「やっぱり・・。全てはあの女のせいね。
あの女のせいでプログラムがくるったんだわ・・・。
私が直してあげる・・・。」


そう言って不気味な笑いでウエリアはアガナに近づく。


「リセット押して初めから教えてあげる。
だから、目をみせて・・・。」


初めから・・・そんなの嫌だ
ベルシナとの思い出・・全部忘れたくないっ!!
もう2度と忘れてたまるか・・・!!


『バーチャルはね、名前を決めた人しか入れないらしいの。』


バーチャル・・・ベルシナしか入れないプログラム・・・


「あ・・そうだ・・、プログラムオフ」


アガナはそう言って電源を切ってしまった


「あ。」


そしてアガナが再び目覚めると
そこはいつものプログラム内だった・・・


「お、起きたみたいだね。」


ベルシナがそこに立っていた。


「はい。」


「もう、無理しなくていいんだよ・・。
もう、君は人間になる。心は溶けてるんでしょ?」


氷・・・俺の記憶は・・


「いや・・溶けてない。俺、まだ分からないんだ。」


記憶戻ってないんだよ、ベルシナ・・・


「アガナ・・。」


「でも、お前の顔見ると・・目が・・」


アガナがそう言うと彼の目が赤く光る


「記録してる気がする。」


「記録・・?私のこと・・・?なにそれ?」


そんなの、聞いたことない・・・
どういうこと・・?