あの子はロボットなんかじゃない・・・


「もしかして、私の惑星の・・。」


「そう、知ってしまったのか・・・。」


ベルシナは艦長と話をしていた。

艦長は何もかも知っていたのだ・・・


「似てたんじゃない・・彼だったんだ。」


「そう、アガナだ。

君より後に見つけた彼は奇跡的にも
助かったのだが・・・」


「でも、心を閉ざしていた。そう、ですね?」


「そう。だが心だけではなく顔の作り方も忘れていた。
忘れていたのはそれだけじゃない。
今までの記憶、名前さえも忘れていた・・・
いわゆる記憶喪失・・・。」


「だから、目にプログラムを・・・?」


記憶喪失の脳をむりやり新しい記憶に塗り替える
プログラム・・・


「氷人間としてあなたと話していた。
感情が分かれば普通の人間として変わらず生きていける。
だけど、彼はもう・・・」


少しづつ分かりつつあるんだ
そう、記憶が戻ろうとしているんだよ。


「先輩!!」


「え?」


その事で考え事していた為、

ジョーカーの声に気づかなかったようだ。


「なんなんですか!あの女は!

あの眼鏡はアガナのデータ用ですよね!」


眼鏡はアガナの目に反応してデータをプログラムさせているのだ
ベルシナはいつも、それをかけている。


「先輩?」


「私・・恋・・してる。」


「え・・先輩!?」


その言葉にびっくりするジョーカー。


「あの子が好き・・・。」


今ならはっきり言える。

アガナは「アガナ君」だから・・


「先輩、あの子はロボ・・ット。
そう、聞いてますけど」


ちがう・・


「違う!あの子はあの子はーーー・・・!」


「先輩・・。」


あの子は私の大好きだったアガナ君だよ・・・