ベルシナは艦長に呼ばれて艦長室に来ていた


「まだ表情が1つだけなのかい?」


「すみません、なんかバーチャルだと彼は・・覚えなくて。
私以外は名前も覚えていないようなんです。」


「ほー・・それは興味深い」


「ですから、起動させて・・・・。」


窓を見ていたアガナが2人に気づき、こっちを見てニコリと笑う。


「次の表情を覚えさせようかと思います。」


アガナが2人のもとに来てこう言った


「・・・男?」


艦長の事を言ってるのだろう・・・


「そうだか?」


その答えにアガナはまた機械の音をピピピと鳴らす


「あ、アガナっ。」


「なんでしょう?」


「この人はこの船の艦長。だから、ね?」


あたふたとベルシナは事情を説明する。
この前みたいに「幸せに」って言うかも知れないからね。


「はい。ですね。」


と、笑ってアガナは答えた。


「ベルシナ君、もしかして彼って・・・・・」


「困ったものですよねー。私に近づく男には、みんなに
「幸せに・・」って言うんですよ?」


その言葉に無言で考えてしまった艦長。


「はい?」


「もしかしたら早いのかも知れないな、彼。」


表情覚えるのも・・ベルシナには言えない、あの秘密も
早く明かすかもしれなくなるな・・・・


「え?」


「ベルシナ、そろそろ降りるんですよね。」


アガナが彼女に話しかけてきた


「あ、惑星Bね・・・アガナ。わかってるよね?」


「はい。」


「次の感情は悲しみ」


悲しみ。ロボットが悲しむなんて出来るのかな・・・?