凍った心


私はベルシナ。

3ヶ月前、私が住んでた惑星が隕石により破壊された。
助かったのは私だけ・・・ってずっと思ってた。
そんな私を助けてくれたのは今、乗ってる戦艦・・・。
私に任されたのは感情を入れるロボット・・?

第1話

 「起動」編

俺はずっと見てる・・・
氷の心になってしまっても、俺は氷の瞳の奥深くから君を見てるから・・・
ーーーー天才的頭脳、兵器と思えない体、髪のさらさらぐわい・・・
誰もがうらやむクールなこの顔。でも、彼は人間ではない心が無いのだ。


「先輩・・本当にコレ・・。」


ベルシナに声をかけて来たのはある惑星からやってきたジョーカー。


「いいから、ジョー。」


「だって・・どうみたって。」


人間っていいたい?けど彼は人間ではない。そう、艦長に言われた。


「ジョー!」


ベルシナがそう言うと、ジョーはピッとボタンを押した


「分かりました。では先輩、名前教えてリミッター解除して下さいね?」


リミッターを外さなければ、感情を教えることが出来ないらしい・・・
ーーーーそして、ベルシナは彼の心の中へ入っていく。
氷の瞳の奥から誰かの声が聞こえる。聞いたことあるような声。


「おきて。おきて・・・。」


「誰だ・・?」


「私はベルシナ・・・。」


ベルシナ・・・?

その名は、奥深くの瞳の俺は君を知ってる気がする。


「あなたに感情を教えに来たの。」


あなたはそんな顔じゃない・・もっと・・もっと・・・


「先輩!そろそろ時間が・・っ!」


ベルシナがいるのは彼のプログラム内。

時間内しか話が出来ないのだ。


「もうちょっとやらせなさい!」


そう彼女がジョーカーに怒鳴ったが、その姿に彼の目が光る


「・・・誰と話してる?」


プログラム内の彼の耳には外の音など届いていないのだ。


「はー・・。」


ため息をつくベルシナに疑問を持つ彼。
次の瞬間、彼女は彼のほっぺたをひっぱり・・・


「あー笑いなさい~~。」


でも彼は無言無表情。
私の知ってる・・このロボットに似てる『あの人』は私に笑ってた。
だから、お願い笑って・・・。もう一度、私に笑って・・・。
ほっぺたをひっぱってもベルシナを見るだけで無言無表情。


「先輩、名前教えないと。駄目ですって!」


「あ。」


このロボットに名前を教えないと表情を覚えないのだ


「なんだ?」


「あはっ。」


そう言って、彼女はほっぺからはなした。
教えなきゃリミッター外れないんだった・・・・


「あなたの名前は『アガナ』だよ」


ベルシナは笑って答えた。

アガナ・・私の好きなだった人の名前・・・


「唐突すぎますって、先輩!」


彼はジジジっと機械がなるような音がした後、目が光こう答えた


「プログラム完了しました。
ボクの名は『アガナ』ご主人様は『ベルシナ』ですね」


「え・・・?」


びっくりする間もなく彼女は現実世界に帰ってきた。


「ジョー・・・。」


「えぇ・・先輩、初めに言いましたよね。」


あ・・・


「先輩?」


一瞬、アガナ・・私の知ってるアガナ君だとおもった・・・。
ベルシナは寝てるアガナの髪を触る。さらさらで人間みたいで・・・
彼は全宇宙にたった1体しかない感情を教える
玩具・・ロボット・・人形・・・・
プログラムレベル1は「笑う」


「あー・・これですか。」


と今日も彼の中で教えるベルシナ。
彼が見せてるのはベルシナが無理やり笑顔にさせた
ほっぺをつねってる所。


「・・・う~ん、なんか違うなぁ。やっぱり私だから・・なのかな?」


はあ・・とため息を出すベルシナ・・・