そう、俺は・・紀羅にキスをしていたのだ・・・。


「け、景君・・っく、口だよっ」


キス・・・姫以外にするとは思っても見なかった・・・。
公園に2人しか居ない空間に
遠くから息の切れる声が聞こえる・・・


「あ・・ごめん。忘れられると思って・・・。その、えっと。」


「景君、それで忘れられるなら・・何度でもしてよ・・。」


「あ・・。」


姫だ・・遠くから見ていたのは姫だったのだ。
忘れるなんて・・嫌・・っ嫌・・・っ!!


「紀羅・・ありがと。」


俺、今なら紀羅と人生やり直せる・・紀羅となら・・
姫の事、忘れられる・・零の事も祝福出来る気がする・・
再び紀羅と景がキスしようと顔を近づけた時
さけび声が聞こえた。


「だめーーっしないでーーーっ!!!」


姫の声に反応し、景はすぐさま紀羅から離れた


「姫・・・。」


「紀羅・・・おねがい。2人きりにさせて・・。」


姫・・・また景君になにか、言うの?
せっかく私が励ました この心をまた・・・


「また・・・あなたは、セイ君を傷つけるの?」


紀羅・・・


「話、するだけだから・・・。」


2人はすれ違いざまに、そう言った。
紀羅は公園から居なくなり
・・・・・姫と2人きりになった景。


「何?俺・・嫌いって言わなかったっけ?」


ぎこちなく赤くなりながらも景はそう言った。

「・・・嫌いなんて言わないで?
私、私・・景君が好きなのっ!愛してるの!!」

私、自分の気持ちに正直になりたい!
あなたが嘘ついてた分、私が本当の気持ちぶつける!!


「え・・?」


好き・・?君が俺の事好きだって・・・?ありえない・・・
俺、たしかに嫌いってさっき、そう言ったよな?
どうして好きなんて言えるんだ・・?


「う、うそだーーっ!!」


景は頭をかかえ崩れ落ちた


「け、景君?」

「俺の事好きなわけないじゃん お前は零の事ーー・・・。」

好きなんだーーっ!!
彼は姫から逃げてしまった。


「あ・・。なんで帰るの?そこまで私のこと嫌い・・?」