自分の部屋のベランダに帰ってきた景


「聞こえてたぞ?何で嫌いって言うわけ?」


そこまで傷つけたいのか、お前は・・・・・・


「好きなくせに。」


・・零。1番バレちゃいけないヤツにバレてたのか・・・
ま、いい俺はもう・・・


「なんで俺があんなヤツ・・・・。」


「景・・・っ」


好きなくせに、なんでそう隠す?そんなお前が俺は嫌いだね!


「一発殴らせろ。」


零は景の胸ぐらをつかみ、そう言った。


「なぐれば・・・。」


彼女って分かっていながらも好きでいた事にムカツいんてんだろ?

「俺はケンカでお前に勝ったことないし。」

それで気がまぎれるなら、何度でも殴れよ・・・


「それは・・・。」


零は手を離した。


「お前が反撃しないだけで・・・。」


いつも俺が一方的に殴ってるだけで・・それも
姫を忘れる為に体を傷つけてるの、分からなくて・・・


「それにーーー・・・。」


「それに、なんだよ景?」


俺が居なくなれば・・・邪魔者さえ居なくなれば・・・
セイは何かに気づきその先を言うのをやめ、
部屋から出ようとした。


「おい・・逃げんのかよ。」


そうやって姫からも、自分の恋さえからも逃げるのかよ・・・
俺さえ居なくなれば、姫は零のもんだろ・・・?
逃げるんじゃない、諦めたんだ。


「着替えてくるんだよ、いろいろ土付いちゃったし・・。」


裸足でベランダをかけ渡っていたので土つきまくりだ


「もう変な賭けすんなよ・・・・。零。」


賭け・・言ったのか姫。なんの賭けなのか


「姫。」


景のその言葉に零はびっくりして振り向くと
ベランダの柵に腰をかけている、姫が居た。
景を追いかけて無理をしたらしい・・・・・・・


「あ・・・。」


姫が足を地面に置いた時、景は部屋から居なくなっていた。


「聞いてたの?」


「景君が一方的に怪我してるの、そのせいだったんだ・・・。」


「・・・っ。」


零は少し、悲しくなった


「景君に嫌いって言われちゃった・・・。」


「そう・・。」


姫・・そんな顔で笑うなよ・・

「だから、零君の勝ち。」

彼女は彼の元に歩き、顔に手をあて、そう言う。
そして賭け・・・私からキスするほうが本当の気持ち。
キスしようとする姫に真っ赤になり、ドキドキとなるが


「なあ・・・。」


零は見てしまった。姫のその顔


「じゃあ、なんで泣いてるわけ・・・・?」


「あ・・っ。」


ぽろぽろと涙がこぼれる姿に心が痛む


「俺じゃあ、お前を悲しませるだけなんだよ。だから・・・
あいつを・・景を追いかけてやってくれよ。」


終わりにしよう、この三角関係を・・・。


「でもーーっ!」


大嫌いって・・嫌いって・・言われたのにっ
私・・景君になんて言えばいいか・・・・・・っ


「うるせー!いいから、行けよ!行けったら!」


零は姫に怒鳴った。
好きだから、大好きだから・・・行けよ、景のとこに