「本当はね、景君に聞きたい事あるんだ・・・。」


え・・・?


「この傷、ごめんね。」


「お前のせいじゃないし・・・。」


自分の体を心を傷つける事はしょっちゅうだし・・。
つーか、俺に景に聞きたい事・・・?


「景くん、さっき泣いてたよね・・なんで?」


・・・っ!見られてたのか・・・


「それに零君から聞いた。ずーっと彼女居ないっていうか
作らないって言うか・・・。よし、出来た。」


姫は包帯をまきあげた。

・・・それは


「・・・昔。」


「え?」


「いたんだけど・・ね。」


そう言って彼は立ち上がり、姫のいる方へ歩く


「俺・・・。」


それは、忘れられない人がいるから
俺だったらどうする?俺がお前の事好きだったらどうする?
昔から好きだったらどうする?

「俺・・・。」


景は姫の顔に手をあてそう言うが・・
その先の言葉が口が開かない・・・


「景君・・?」


キリッとした顔つきで姫を見つめる。


「・・わりぃ。なんでもねぇや。」


景は離れ、布団へ戻る


「包帯ありがと、よ。」


クルリと彼が部屋に戻ると彼女は崩れ落ち、
尻餅をついてしまった。
そんな2人の姿を布団に入りながら見ていた零


「・・・(景・・お前・・っ)」


やっぱ駄目だよな・・


「・・(景君・・。なんで・・ドキドキするの?)」


困るのは君なんだから・・


「・・(自分の体を傷つけるのは姫を忘れる為だと言うのか・・?)」

君は零の彼女なんだから今も昔も・・・・
翌日の朝、姫が目を覚ますと


「何してるの?」


景の布団は片付けられ、景は自分の荷物をまとめていた。


「俺、父さんたちと先に帰ってるから・・・。
お前はさ、おじさんたちと帰りなよ。あ、零と一緒に。」


無言な零、そんな彼を見つめる姫・・


「でも・・。一緒に帰ろうよ」


これでも遠慮してるつもり。俺がいちゃ駄目なんだってこと


「ねー景君。」


アイツは・・昨日、姫にキスしようと・・

「景!」

いきなり零が怒鳴った。


「なんだよ。」


「てめぇなんて さっさと帰っちまえ!!」


姫は俺の彼女なのに、なんであんなこと・・・っ!


「え?」


「じゃあ、先帰るわ!」


と、鞄をもって景は部屋から出てってしまった。
そうだよ・・俺はこの2人の間には入れない・・・・


「景君・・・景君待ってよ。行かないで!」


姫は彼を追いかけようとするが、零が止めさせる。


「・・姫。お前は景を取るんだな。」


「え?」

「一番近くにいるのは俺だと思ったのに・・・。」

「何言ってるの?私はただ・・・。」


姫の心はアイツの方向いてるんじゃないかって不安になる


「2人が喧嘩するの嫌なだけで・・・。」


なんで、俺は喧嘩するのも姫を取り合いしてたから
喧嘩してた事になぜ気づかなかったんだ・・。


「俺らが喧嘩した時に お前の側で励ましたのは誰だ?
昔の事、俺は忘れてるのに、覚えてるのは誰だ?」


「でも・・・。」


好きなのに隠してたんなんて、なんてムカつく弟だ・・・っ
ーーー・・その頃の景は両親とともに車で帰っていた。


「景、いいのか?先に帰っても。」


「あぁ・・。いいんだ。」


もうやめよう痛みつけるのは・・・忘れる為別の恋をしよう