第5話
 正直になれ

翌日。今日は終業式。


「・・・なあ、景。さっさと学校行こうぜ?」


景は姫から貰っていたピアスを持って考えていた。


「ぐぐぐぐっ・・先行っててくれ。」


「? あ、ああ。」


零が部屋から出たとたん、景の叫び声が聞こえた。

「いってーっ!!」

その彼が家を出ると姫も家から出てきた。


「いえ~・・頭いて~・・・。」


「なに?また、ぶつけたの?」


「・・机にちょっと、な。」


と、姫はそう言ってる景をじろじろ見る。


「あ!開けてる!」


景の右耳には姫があげたピアスがつけてあった。
それに気づかれた景は真っ赤になった。


「あ、えっと・・だから、痛くて・・つくえにぶつけて・・・。」


そこへ桜がやってきた。


「おっはよ~2人ともっ!」


桜が来たとたん、姫は睨んでこう言った。


「・・・本当に彼女?じゃあ、キス・・した?」


「んー私からほっぺだけ・・かな?」


3人で歩きながら会話してると 零に追いついた。

「そういえば、零ってキスしたくないとか、
前の彼女も言ってた・・。」

ってことは、零はキスするの姫だけにしてたんだ。


「え?前の彼女!?」


びっくりして姫は零に言った。


「いや、それにはわけが・・・。」


景が知る限り、零と付き合ったのは3人・・・


「なにそれ?」


まさか、それ以上付き合っていたとは思わなかった・・・。
零と付き合った女はキスなんてしたこと、ない?


「言えばいいだろ?正直に・・。」


それでも、姫が零のもとに来るなら俺は・・・・・


「・・・。正直にって言われても、俺は、俺は。」


「じゃあ、何だよ?また傷つけるんだ?」


また姫を泣かすようなコトするんだ・・・?


「・・っ」


零は姫を忘れるためにいろんな女と付き合った
でも零は好きとは言わない。いいよって言う。
ーー・・零は桜を呼んでいた。


「なに・・用って?」


桜に言わなきゃ・・・いけないこと


「桜、もう俺限界だわ。」


その言葉にびっくりする桜


「それって別れろってコトなんだ・・ね?」


「あ、まあ・・うん。」


積極的な桜だった彼女

「へへ。私、実は小学校から好きだったんだ。」

その言葉にズキリと胸が痛む。


「一番零と付き合ったの長いかも。1年くらいだっけ?」


それは・・・キス出来なくても付き合ったのはお前だけだったから
だから、そばに居てやれることが出来た。
けど、俺には一番好きな姫が居る。
彼女がいるかぎり、彼女が幸せに出来る方を選ぶ。