ーー・・学校は終わり下校時間。
朝は快晴だった天気も今じゃ雨が降ってる。


「朝降ってなかったのによ・・。」


「だね、景君。私、傘・・もってきてないや。」


そこに違うクラスの零がやって来た。


「あ、零君!傘忘れちゃったの。入れて!」


「傘・・もってるけど・・・?」


桜までやって来た。彼女も手には傘が無かった。


「零、忘れちゃったの~入れて~」


彼女も零に入れてもらおうと考えてたらしく・・・


「あ、わりぃな。姫、入れてやれねーや。」


え・・?なんで、私じゃなくなんで・・この子なの・・?


「景に入れて貰えよ。ほら、傘さしてるし?」


俺は傘をさし、下駄箱から出ていた。


「え・・?」


零の言葉に俺はドキッとした。
外は雨・・だけど零は姫と帰ろうとせずに


「俺、桜と帰るから。」


そう言う零。景はこっち見てる姫にこう言うしかなかった。


「・・え、えっと。」


俺だって入れたいけど・・やっぱり姫は零の所行くべきだって


「いいよ、もう・・。」


姫はそう下を向いて言い、傘もささずに走って行ってしまった。
いきなり走る姫に、景はびっくりしていたが


「ちょっ・・姫。」


彼は追いかけることなく、零にこう怒鳴った。

「なんでだよ!なんで・・・わかってるくせに・・・。」

姫の思い、知ってるくせに・・なんで帰らすんだよ・・・っ


「泣いてたぞ姫・・・追いかけてやれよ!」


景の言葉に零は


「わりぃ、桜・・・。」


「え、チョット、零?」


零は桜を追いかけに行ってしまった。


「私・・傘もって・・・。」


桜がそう最後まで言う前に景は彼女に
自分がもってた傘を目の前にやった


「ん・・・・俺、このまま帰る・・から。もってねーんだろ?
貸してやるよ。」


「あ、ありがと。」


そして、彼は自分のカバンを頭の上にし、走って帰っていった。
本当は俺が追いかけたい・・・でも言えない何も聞けない・・
セイはいつもの帰り道を通る。でも、足が止まった。
いつも通る帰り道の途中には公園がある。
その公園に零と姫が居たのだ。


「お前、可愛すぎて、どう接したらいいか・・・
引っ越すのも急だったし、ショックだったんだ・・・。」


「零君・・。私も会えて嬉しい。大好きな零君に・・・」


「姫・・俺も・・・。」


そんな2人の姿を木の陰から見ることしか出来なくて・・


「好き。」


零が姫の顔に手をあて、そう言った。


「零君・・・。」


彼女は目をつぶった。


「姫・・。」

2人は明らかにキスをする所だった。
景は見たくない一身でその場を駆け足で走って行った。
バシャっと彼の足音で2人はキスすることなく


「え・・誰かいたの・・?」


2人は音がした方を見つめる。
零は女ぐせが悪いんじゃない・・・俺と同じなんだ・・・
姫を忘れようとしてー・・零は姫の代わりを探し、
俺は自分を痛みつけた・・・・。
遠い雨がだんだんと晴れていく。


「通り雨・・・。」


雨はやんでも、俺の心は 今流してる涙と一緒・・
2人は両思い、俺の叶わぬ恋。俺の心はいつ晴れるんだろう・・・
俺の恋も通り雨のように、すぎさればいいのに・・・。


R&K 3話へ続く


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