Egypt #19

イシス神殿は、
冥界の王オシリスの妻であり、
ホルスの母であるイシス女神を奉った神殿。

ホルス神は、エジプトでも最も古い神様のひとつで
ハヤブサの姿で表現されることが多いです。
現在のエジプト国旗にはハヤブサが描かれているし、
エジプト航空の翼には、はっきりホルスの横顔が描かれています。
月と太陽の瞳を持つというホルス。
父が冥界の王オシリス(ピラミッド壁画でたくさん出てくる!)だけに、
生けるものの代表=王様と同一視されることも
多かったそう。

神殿内部では、王様をはじめとする人間が、
イシス女神に貢ぎ物をするシーンが描かれています。
頭に太陽を乗せた女性が、イシスその人。

別の壁画には、赤ん坊にお乳をあげる
イシスの姿も。
そう。
この赤ん坊こそ、ホルス神です。

こちらにも、授乳をするイシスの姿が。
・・・って、おい。
ホルスもう中学生くらいに見えるんですけど!?
捧げものの小瓶の中身は、
蓮の花の香水。
今でも人気のエジプト土産です。
イシス女神の顔が潰されているのは、
昔この地に、古代キリスト教であるコプト教徒が
迫害から逃れ、隠れていて、
そのときに異教の神様を削る必要があったから
なのだそう。

顔が削られるほかにも、
神殿のここそこに、コプト十字と呼ばれる
十字架が刻まれています。
