映画とジャズ、日本映画編(2) | 謙虚なオラオラ\(^_^)/勝手にシンガー荒牧陽子サポーター

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映画とジャズ、日本映画編第二弾!!!

「幕末太陽傳」(1957年)
監督:川島雄三 出演:フランキー堺、左幸子、石原祐次郎、南田洋子 音楽:黛敏郎

日本映画ベストにランクインすることが多いこの名作。金もないのに遊郭で豪遊してしまう佐平次(フランキー堺)が、働いてこの金は返しますってことで遊郭に居残るうちに機転と飄々とした押しの強さで周囲のややこしいい諸問題を解決していく、、、、
ちょうど”太陽族”というコトバが流行していた時代。時代劇に太陽族という現代の流行を取り入れた視点がユニーク。

テーマ曲は、黛敏郎がアレンジするアーヴィング・バーリン作「アレキサンダー・ラグタイムバンド」で、これが幕末の若者=幕末の太陽族のエネルギーをよく表していると思う。
黛敏郎は日本を代表する音楽家で、ジャズにも造詣が深い。
フランキー堺自身もジャズドラマーだったわけなので、この時代劇はジャズの香りがぷんぷんするのだ。映画としても素晴しいのでいてない方は是非!


次に、巨匠鈴木清順の

「すべてが狂ってる」(1960年)
監督:鈴木清順  出演:川地民夫、禰津良子、奈良岡朋子、芦田伸介 音楽:前田憲男


不良高校生の無軌道な生き方を描くヌーヴェルヴァーグ風の傑作!
女の子をナンパし、酒に溺れ、車を暴走させる、、、一方で母の再婚に傷つきメチャクチャに暴れるというナイーブな面もみせる主人公。
白黒のスタイリッシュな画面は今観るとかえって新しいかも
そんな映画のサントラは、、、
モダンジャズ三人の会の前田憲男、三保敬太郎によるヌーヴェルバーグにピッタリのファンキーで、即興的なサントラがカッコいい!!
このサントラは「和製ジャズビートニク映画音楽傑作選」としてリリースされています。


続きまして

「女が階段を登るとき」(1960年)
監督:成瀬巳喜男  出演:高峰秀子、森雅之、仲代達矢  音楽:黛敏郎


成瀬巳喜男&高峰秀子の名作!
銀座のバーの雇われママを高峰秀子が演じる。銀座で生き残るため、好きでもないお酒を飲み
金持ちのおっさんの相手をする高峰秀子。若くして夫に先立たれ生活のためにママとなった
彼女はガードが固いことで有名だった。そんな彼女も悪い男に騙され、、、、
いやー、銀座のバーのサバイバルって凄いっす。

高峰秀子はいいですね~水商売に向いていない美人ママという役目にピッタリの雰囲気。
仲代達矢のとぼけた味も絶妙。

しかし昔のサラリーマンの銀座での飲みっぷりが凄い。全部つけで飲んでママが後日会社に出向いて集金するというのが当たり前の事。今じゃ考えられんな~

そんなザギンの物語に黛敏郎のジャズがなんともいいムードを出している。バーが2階なので
高峰秀子が階段を上るシーンが多いが、ヴィブラフォンの軽やかなリズムがぴったり!
「幕末太陽傳」もそうだが、黛敏郎は日本の映画への貢献度がすごいよなー
武満徹もそうだけども、国際的に活躍していた気鋭の音楽家が映画音楽を本気でやっていたって凄い時代だなあ