ご無沙汰しております。
もう一年近く更新が途絶えてしまいました。

この春、大学院を修了し、社会人として働くことになりました。
紆余曲折ありましたが、新たなる人生の門出を迎えることができ、とても嬉しいです。

たくさんメッセが来ていたことに驚いています。
コメントも幾つかいただいており、うれしい限りです。
本当は一つ一つに返信したいのですが、今回の記事を以て返信とさせてください。
この一年間の出来事も綴りますので長文になりますが、読んでくださると嬉しいです。






2013年4月に正式に大学院に復学し、研究を進めながら就職活動・プロジェクトでそれなりに慌ただしい日々を過ごしていました。
研究室のプロジェクトも3つほど相談役のポジションでこなしました。
心配していた再発もなく、できることからコツコツと進めていきました。

就職活動では、大手企業の一次面接で正直に病歴を話してお祈りメールをいただきました。
大手企業には早々に見切りをつけて、教授の知り合いの構造設計事務所を回りました。
6つほど回ってるうちに一つ内々定?が出ました。
9月からアルバイトとして働いて、働きぶりと僕自身の気持ちを確認して春から正式に採用するとのことでした。
事務所の雰囲気も良く、実家から通えるところだったので快諾しました。
(お給料はまぁ…苦笑)
事務所の所長さんはとても温かい方で、所員さんもいろんな方がいて面白そうでした。

その頃には修士論文のネタは揃っていて、最終的な落としどころを決めればあとは仕上げるだけの段階まで進んでいました。プロジェクトも落ち着いていたので、後期からは比較的ゆったりと過ごせました。

事務所でのアルバイトはとても刺激的で、研究室でのプロジェクトと最も違ったのはスピード感でした。
事務所は常時10個以上の設計を抱えていて、それを所長含め8人でこなしていました。
そんな中、アルバイトとはいえ働きぶりを見られている僕は張り切ってこなしていましたが、何から何まで所員さんのスピードにかないませんでした。

年末に事務所の忘年会が開かれたのですが、予想だにしないサプライズが僕を待っていました。

「○○くん、入所おめでとう!」

居酒屋の個室にそれほど大きくはなかったのですが横断幕がはられていました。
戸惑っていると、所長が僕に、

「約4か月見てきた結果、是非ともうちに入ってほしいと全員が思ったんだよ。もちろん○○くんの気持ちが一番だけどね。笑」

正直、僕はここに入りたいなと9月の時点で思っていました。
でも、働きぶりをアピールしつつもどこかでセーブしていました。
もしかしたら駄目かもしれないと思うときもありました。
そんな状況での出来事でした。
感動で言葉が出ず、何とか絞り出したのが

「お願いします。」

一言だけでした。

所長には当然病気のことは伝えていたし、所員さんも薄々気づいていたと思います。
他にも若くて優秀な人もいただろうに僕を選んでくれました。

それから乾杯しました。
ここから先は記憶が残っていないほどお酒を飲んで、飲まされました。
ただ、嬉しかったという感情だけは覚えています。



年が明けて、いよいよ修士論文提出に向けてラストスパート!
というときに大問題が発生しました。

僕の研究成果を流用しようとしていた学部生がいました。

僕の研究テーマには学部生が2人ついて共同で進めていて、それぞれ分担していました。
各実験・解析、データ整理を3人のチームで進めていたのですが、全く関係のない学部生がほぼコピペで提出しようとしていました。

研究室のHDDに各自のデータ類を纏めて保存してあるので、見ることもコピーすることも簡単にできますが、まさかそんな事態が起こるとは誰も思っていなかったと思います。

普段、学部生の研究成果なんて見ない教授がたまたま見て発覚しました。

教授の激怒具合に僕を含め学部生はビビりあがってました。
流用しようとした学部生は何もしゃべらず、ずっと俯いていました。
しまいには、

「卒業できると思うな!」

と言い放って自分の部屋なのに出ていきました。

この出来事の後、流用しようとした学部生は研究室に来なくなりました。

なんだか気になりつつも、今は他人のことを心配してる場合じゃないということで仕上げに取り掛かりました。

そんなこんなで提出日の1週間前に修士論文はできあがり、チームの学部生も卒業論文としてまとめ終わりました。

いつもは学部生の卒業論文は院生がチェックするだけなのですが、さすがに今回は教授もチェックしました。と言っても特に何事もなくOKが出ました。

学部生は研究発表会での発表、院生は口頭試問と研究科での全体講評会を経て審査されて合格すればおしまいです。

審査されるとありますが、

修士論文提出=合格

ということらしく、指導教官が提出前にチェックしてOKなら合格で、駄目なら提出させないそうです。



無事発表も終わり一息ついて、1か月ぶりに事務所に顔を出すと、とんでもなく事務所が汚れていました。
事務所での朝一のアルバイトの仕事は掃除なのですが、あまりにもすさまじかったので午前中まるまるかかって綺麗にしました。
どうやらこの一か月間アルバイトの学生がみんな大学関係で休んでいたのが原因のようでした。
それにしても一人ぐらい綺麗好きの所員さんが居てもいいのにな~と思いました。
4月から掃除係は間違いなく僕になると思います。笑

3月に入って所長から4月まで事務所に来るなと言われました。
学生生活最後、思いっきり遊んで来いとのことでした。
バイト代とは別に餞別で3万円もくれました。
9月から事務所で働いていたのでそれなりの金額が手元にあったのですが、友達と卒業旅行で海外!という訳にもいかず、社会人として戦っている友達のところへ報告を兼ねて国内を巡りました。

結婚して子供がもう3人いてる奴、未だに彼女ができなくて合コン三昧の奴、出世してもう課長になってる奴、脱サラして喫茶店開いたけど火の車な奴、いろんな友達がそれぞれの人生を歩んでいました。

お酒を飲みながらいろんな話をしていると、みんながみんな僕のことをこう言いました。

「お前、研究室入ってから頑張りすぎ」

みんな僕のことを見てくれていました。気にかけてくれていました。
でも、止めるかどうか迷っていたそうです。
いつか僕のほうから弱音を吐いてくれると思っていたそうです。

僕はとても申し訳なく思いました。
今まで僕は自分のことばっかり考えて、悩んでいて、周りの仲間のことをこんなにも気にかけていただろうか…。
人間は一人では生きていけない。
そんな当たり前のことを再認識しました。
そしてこれからは周りの仲間を頼って、頼られる人間になろうと思いました。





4月まで残るところあと数日。
このブログをきっかけに立ち直り始めました。
いろんな方と交流できました。

一緒に悩んでくれた方

ずっと励ましてくれた方

ずっと認めてくれた方

ネット上で顔が見えないけれど、皆様の温かい心は文章を通じて感じることができました。
コメントやメッセには幾度となく助けられました。
心より感謝しております。

ありがとうございます。



うつ病で苦しんでいる多くの人にとって、このブログは何かの役に立ったとは思いませんが、うつ病で苦しんでいるのは自分一人ではないんだということを気づいてもらえれば幸いです。

そして、うつ病は治るんだ!とは断言できませんが、治るまでの具体的な過程の一例として参考になればうれしいです。



長い間、こんな他愛のないブログを読んでくださり、ありがとうございました。
これをもちまして、「院生のうつ病日誌」は終わりとさせていただきます。



いつの日か皆様が幸せになる日を願って…



byろいやるみるくてぃー