FRポルシェとRX-7 | 蒼いFD3S~走らない車のパーツを買う男

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自分が交通事故で死ぬ運命ならば・・・
 ロータリーエンジン搭載車で逝きます。

その昔ポルシェ924という車があった。



ポルシェというと水平対抗6気筒エンジンをリヤに載せて後輪を駆動する911シリーズが有名で、殆どの人がポルシェというとそれをイメージすると思う。


だが924というのは911シリーズとはまったく別の成り立ちで、4気筒エンジンをフロントに搭載し、後輪を駆動するポルシェなのだ。



924シリーズが販売されていた当時、わが国では初代RX-7(SA22C)が販売されていた。


初代RX-7は、当然ロータリーエンジンだが、それをフロントに搭載し後輪を駆動するFR方式という点では、924と共通だった。



さらに両車ともリトラクタブルライトを採用し見た目もよく似た印象だった。



やがてポルシェは924を944シリーズへと進化。

エンジンは従来のアウディーのものからポルシェ928のV8の片バンクを取った自社製4気筒へとスイッチ。

見た目は324をベースに前後ブリスターフェンダーを採用して迫力が増した。



一方RX-7は2代目FC3Sへと進化。

外観はポルシェとは違い大幅にチェンジされたが、リトラクタブルライトを採用し、ブリスターフェンダーも装着。


FRポルシェとRX-7はこの時代が一番良く似ていた。


実際、ショッピングセンターの店内放送で944のユーザーが「RX-7のお客様~」と呼び出された事があると言う話も聞いた事がある。


幌付きのオープンボディーもラインナップしているところも共通だ。



やがてポルシェは968へとチェンジ。

4気筒エンジンは3Lという世界最大級の排気量を持つものになる。(バランサーシャフトのお陰で振動は少ないと言う)

外観はほぼ944のままだがリトラクタブルライトは、928のような丸目のポップアップライトに変わる。

ちなみにRE雨宮のFCがこのタイプのライトを採用している。



一方のRX-7は、3代目のFD3Sへとモデルチェンジ。

シーケンシャルツインターボという直列2段式ターボを採用し、スタイルもリトラクタブルライトは残っているもののこれまでとは全く異なりよりワイド&ローになった。


ここでポルシェとはイメージが大きく離れることになる。



しかしながらドイツではなくアメリカのほうに良く似たスタイルの車が登場する。

シボレーコルベットだ。


これもリトラクタブルライトを採用したFRクーペで、フロントビューはかなり似通っている。


実際あったことなのだが、置き場近くのコルベットオーナーにFDをコルベットと間違えられて整備のことについて質問されたことがあった。

さらに、FD後期のテールランプは丸目タイプなので、リヤのイメージもさらにコルベットに近付いた。(歩み寄り?)


ちなみに、歴代コルベットの開発リーダーは、大のフェラーリ好きで、丸目4灯タイプのテールライトは、フェラーリへのオマージュらしい。



初代~2代目まではポルシェもRX-7もターボグレードをラインナップしているところも共通だ。



さて、924以前と初代RX-7以前は一体どんな車だったのだろうか。



ポルシェでは924以前はFR車は存在しない。

無理やり同軸上に並べるとすると、914という車が上げられる。

それもリトラクタブルライトであったが、FRではなくMR、つまりミッドシップレイアウトの車だったのだ。

エンジンはVWの4気筒を搭載。



一方マツダはもRX-3というロータリーエンジン搭載の車があった。

リトラクタブルライトではないが『サバンナ』という名称は2台目RX-7まで引き継がれている。


この2車種はもはや全く似ても似つかない。


914の良く似た車を上げるとすれば、それはフィアットX1/9だろう。

リトラクタブルライト&タルガトップ採用のコンパクトなミッドシップカーという点では共通だ。

ちなみにランチアブランドのミットシップカー、ベータモンテカルロはX1/9の後継車種として開発されていたと聞く。

それは最終的にランチアラリーへと進化。



914は更に遡ることが可能で、それは912という殆ど知られていないポルシェに到達する。

912は911のボディーにVWの4気筒を搭載した廉価版ポルシェで、914が発売されるまでのごく短い間販売されていたのだ。



さて、この両車は現在ではどのようになったいるのかと言うと、ポルシェは968からボクスターというミッドシップレイアウトの車に変わってしまった。(現在2世代目)



RX-7は、ご存知RX-8に変わり現在も販売中だ。

RX-8はロータリーエンジンを搭載しているが環境に配慮しターボグレードは廃止。(というかターボで排ガス規制をクリアさせるにはかなりの資金が必要なので断念したのだろう)

2ドアではなく後部に観音開きのドアが付くという変わったスタイルのクーペボディとなった。


これに似ている車と言うと、米サターンのSCクーペが後部ドア付きのクーペボティだ。



現在ポルシェはオープンボティのボクスターに固定屋根をつけたケイマンという車種もラインナップに加えている。



RX-8は今後どのように進化していくのだろうか。



スポーツカーに乗りたいという理由。


ユーザーはスポーツカーに何を求めているのか。

そしてなぜロータリーエンジンを選ぶのか。



現在のRX-8では、その希望を全て満たしてはいないと思う。


速さ、デザイン、操縦性・・・


エコカーやファミリーカーユーザーが重視する燃費や快適性というのは第一にこないだろう。



それも大事ではあるが・・・



だから僕は8には興味が湧かないのだ。