52 :名無しさん@十周年:2010/04/11(日) 13:17:58 ID:vhy4Mh8B0
普通学級に通学するのが、物理的に困難な障害児の入学をゴリ押しする親や人のニュースを見るたびに、以前に見たドキュメンタリーを思い出す。

サリドマイド児の親のドキュメンタリーだったのだが。
生まれついて重い障害を負って生まれた息子の為に、親は「サリドマイド児の親の会」を立ち上げて、休日は全て会の活動。
「障害者に理解のある社会=息子の為」との強い信念のもと、息子を連れて積極的にマスコミにも出たり、講演活動も行った。
さらに、息子を普通学級に進学させた。息子は重い障害を負いながらも大学に進学。一時は、マスコミにもてはやされた。

が、大学卒業後、障害を負った息子は何処にも就職できなかった。ここで、息子は生まれて初めて本音をぶっちゃける。
「子供の頃から、人前でさらし者にされて辛かった」「休みの日くらい、家族だけで過ごしたかった。家族だけで遊園地や旅行に行きたかったのに」
「普通学級になんて行きたくなかった。手の無い俺が、普通学級でどれだけ不自由で辛く、孤独だったか。
どれだけ、危険で屈辱的(同級生による排泄介護等)な思いをしたか!」と、延々と恨み言を言い出した。

で、親が「何で言ってくれなかったんだ!」と反論したら「言ったが、全て“お前のためだ”で済まされた。
一度だけ、同じ障害を持つ子供たちがいる養護学校に行きたいと言ったら“負けるな”と説教された」
「俺みたいな障害を持った子供が、親に見捨てられたら生きていけない。だから、言いなりになっていた」
「お前たちは“俺の為”と言っていたが、結局は自分たちが社会から注目されてチヤホヤされたかったダケだろう。
養護学校に進学した同じ障害を持った連中は、職業訓練を受けて就職して自立しているのに、親の見栄で、普通学級に進学させられた俺は、就職できなかった」
「俺の障害を受け入れてくれない、見栄っぱりな親のせいで、俺の人生はメチャクチャにさせられた!」

結局、息子さんは親に対する恨みつらみの遺書を残して自殺。最後に親御さんは「もっと息子の気持ちを考えてやれば良かった」
「健常児と同じようにする事が、息子の為だと思っていたが、間違いだった」と嘆いていたな。


これに対して、ソースは?という話になる。

「青い鳥はいなかった-薬害をめぐる1人の親のモノローグ」だって言ってた人がいる。
しかもそいつ「読んでないけど」って(#゚Д゚)ゴルァ!!

だから真実突き止めたくなってこの本読んだんだよね。図書館まで行ってわざわざ借りてきて。
かなり分厚い本だったので読むのに時間がかかったけれど。
著者の息子さんはこの本の執筆中に亡くなったらしい。そのことは後で触れるけど。

「早くに亡くなったのは事実だがこのコピペとは全く違う」

当時、重度の障害を持った子供は学校に入れないで通園施設に入れるか
強引に普通学級に入れるかの2択しかなかったそうだ。
養護学校は軽度の障害者しか受け入れてなかったばかりか
子供専門の病院なんかも無かったのだ。
子供専門の病院が無いくらいだから通園施設もどんな所だったのか私には想像できない。
この本は自分たちの手で子供専門の病院を作ろうと結成した「財団法人子供たちの未来をひらく父母の会」
サリドマイド訴訟の話と息子さんが亡くなられた話で構成されている。

著者は父母の会初代理事長であり、息子はサリドマイド児だった。
海外までサリドマイド児の施設などの視察に行って施設を作った方である。
著者は排泄介護は勿論のこと、女子には生理があること。乳幼児の時は親がやるが
小学校などに上がった時にどうするのかと憂慮し、憂慮に対する努力もしていたようだ。
小学校に上がって恥辱を受ける事のないよう、努力もさせたし、そういう洋服や器具の類も
著者らの発言でできつつあった。
療育にも力を入れ、父母の会で夏には水泳合宿、冬にはスキー合宿を
30回ほど行って、後日、当事者に話を聞くと非常に楽しかったという。
学校で年中できるスポーツは出来ないにしろ、自信はつくらしい。
幼稚園にも行けないため、乳幼児の通園施設や病院を作るとなった際
必要になるのが「カネ」。これはしかたの無いことだろう。
当時、「青い鳥マッチ」というキレイな絵柄のついた
マッチを販売することによって資金集めをしたのだそうだが
1箱あたりの単価が安いが為に、無理があった。
そして100円ライターも登場し、売れ行きは下がっていった。
でも、東京や横浜で、マッチ箱に描かれた絵の展示会をやったことで
啓発運動には繫がって、「神奈川県立こども医療センター」が出来たという。
また、著者によっても小児療育相談センター(現・地域療育センター)が設立され
通園部門と診療部門によって成り立っている。
今日までサリドマイド児の他、多種の障害を持った子供が利用している模様。
著者はこどもの将来の事を見据えて色々とご苦労された方である。

最後に著者の息子さんの事に触れておくが
自死ではあるがコピペにあるようなそういった理由で他界した訳ではない。
高校卒業後、いったんは就職したのだが、どういう訳か離職している。
文筆が得意であった為にその勉強をしたり、マンガや芝居の原作を書いた
フリーターではあったが
報酬と、サリドマイド裁判による補償金と障害年金で暮らしていたと思われる。
海外旅行も1人で行っていたという。結婚もしていた。
しかし些細な理由から妻を追い出し、
全ての家族、親戚との接触を断ってしまった上、
酒びたりになり、体調が悪くても意図的に医者にも行かず2002年に孤独死してしまった。
著者の妻は、当事者である息子さんを出産する前に、一度流産をしたが
予後が悪く、血が止まらなくなって輸血をしたという。
(当時輸血用の血液は、アメリカからの輸入に頼らざるを得なかった)
それにより著者の妻はは晩年C型肝炎を煩い、一時期キッチンドランカーだったため
肝ガンへと移行して亡くなったという。
息子は母を何度も見舞っていたが、自分の運命を見た気がしたのだろう。
自分のこの先の人生に絶望したと思われる。


日本は障害児の受け入れに遅れがあった。
健常者でも、「こども専門の病院がない」など
今に比べたら考えられない不安な点も多かったと思う。
ゆえによく見かけるこのコピペにはおかしな点が多い。
確かにサリドマイド薬害を苦にして自殺した人も居るという。
(自殺には関係ないかもしれないが
裁判の補償金で親が事業に手をだし失敗とか・・・
乳児院に子供を捨てたのにカネは名乗り出た親に入ったとか・・・)
しかし、著者の息子さんは人との接触を避けるようになるまでは
非常に活動的で明るく友達も沢山いたとの事だし、執筆活動もしていた。
他にも足を器用に使い、身の回りのことのほとんどは出来る方も居る。
私は生活の様子を小学校の時に学校でビデオか映画で見た事がある。

人の死に関する安易なコピペは避けた方がいいと思う。

※本の中でも障害と使われている為、あえて障がいとは書きませんでした。
私もあまり「障がい」と書くことに気が進まない為。






追伸:2chの人さぁ、、、このブログの主がてんかん患者って知ってんの?
簡単にURL載せてっけど。一部の人間が「てんかんは殺人鬼」とまで言っておいて
てんかん患者叩きまくっといてこういうのは信用するのか?w
サリドマイドの本の話は事実なんだけど・・・ね。謎すぎて呆れる。