40過ぎだったか、夫が誰かを好きになった。


気付くのがかなり遅かった。話を聞くと、


もう終わった、と言う。どこの誰とも知らぬ相手との交際、どうすれば


私に信じさせることができるのか、と言うと、


相手に夫か男性がいて、その男性が出てきたことで終わった、と。


その女性が夫ではなく、女性の男性もしくは夫を選んだと言える。



私は感情を夫にぶつけた。


同時に、夫がその女性を求めるのなら、別れようとも思っていた。


私ではないことが事実なのだから。


ところが、終わったと。。。。



普通の女性なら、これを機に別れる場合が多いと思う。私達には子供がないため、


選択の自由もある。


ところが、私はそうしなかった。


ストンと、バッサリと、終わった、という事実が過去のものとなり、


もし、別れるとすると、面倒な作業をしなければならない、又、離婚後は、再び、


誰かと出会って結婚、、、、と考えると、何だか面倒、、、再び同じことをすることへの


面倒臭さが頭を過ぎるのだった。又、それまでの夫と共有してきた時間の積み重ね


に対する想い、否、私の時間の積み重ねではなかったか。。。どちらとも言えそうだが、


それを否定しなければならないことへの苦痛があったように想う。

当時、夫がその女性と別れたことによる傷心や、私の存在など


全く無であったとしても、自分自身の現実ばかり考えていて大して苦にならなかった。


流石に、普段通りの生活に戻るには時間を要したけれど。




今、想う。あの時、夫が愛した女性に男性がいなかったら、夫は私と別れて女性の


元へ行ったし、筈だと。


夫は私を理解するのに時間を要した。私が結婚を決めたことの理由には、居心地の良さ、


内的思考の共有性等あったけれど、私の女性の部分に於いては理解が浅かったように想う。


愚かな夫は、自身がご立派な(皮肉)大学出身であることによる傲慢さがあった筈だし、


自分に対して、女性らしい優しさを求めていたのだとも想う。




時は過ぎ、今や夫は私の何がしか(大したことではない)を理解している。


今、夫が再び誰かを好きになったとしたら、、、、


あぁ、もう、それはあり得ないこと。。。。


夏頃だったか、小さな喧嘩があった後、私は


たった一度の貴方の人生、どうぞ、お好きなようになさって下さい。


とピシャリ。



又、或る時、私は余りにも夫のために尽くしていないのを想った際、


ねぇ、貴方は私などよりもっと他の女性の方が良かったのかもしれないね。


と、言うと、


一瞬、ビクつき、かろうじて


そんなこと、今更言ったって遅すぎる。


と、早口に言ってその場を去り、二階へ行った。



男女の力関係と言うのだろうか、今や完全に私が勝ってしまっている。。。。。


先の話以外でも夫は愚か過ぎて、何度も私に対して失礼をしてきた。


私の友人達を、私が何度切り捨ててきたことか。(友人とは自然と離れただけである。)


私の友人が悪いとも、夫が悪いとも言えるけれど、都度、私は夫を鋭く批判した。


馬鹿な男と。


夫は精神年齢が低く、或る意味、結婚後徐々に自己を知った感があった。


結婚前の女性との交際は、あってもサッパリといった按配。


アレ、自分はなかなかいけるんだ、、、と遅く知ってのことであった。



そんな夫婦は、義兄からみると、いつかも記したとおり、


君達は似てるね。


と、なる。


そして、私にとっては、私の親兄弟よりも近しい存在でもある。





にも拘わらず、私の心はどこかにある。。。。。