奇跡のクラーク・コレクション
『クラコレ』 のチケット読者プレゼントをお待ちくださっている読者の皆さま、
たいへんお待たせいたしました。
2月より、三菱一号館美術館で開催されている、
『奇跡のクラーク・コレクション―ルノワールとフランス絵画の傑作』 展のご紹介です。
〔会場に入ってまもなく出逢えるこちらの作品は、風景画でおなじみのコローが描いた肖像画。〕
★カミーユ・コロー 《ルイーズ・アルデュアン》
1831年 油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
この頃には、ここに描かれているようなほっそりした靴とケープが流行でした。
美術館ではぜひ、少女の背後に広がる風景とこちらを見つめる彼女の視線、
ファッションに対する細かい描写などをじっくりご覧いただきたいと思います。
〔その他にもコローならではの風景画が数点展示されています。〕
〔そして、ミレーやブーダン、カイユボット、ピサロ、モネなどの美しい風景画が続きます。〕
《小川のガチョウ》 が、私たちがよく知っているモネの絵画と少し印象が違うのは、
縦長の作品だからでしょうか。
★クロード・モネ 《小川のガチョウ》
1874年 油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
会場ではぜひ近寄ったり遠ざかったりして、
小川に描かれた青い色がいかに効果を出しているかを感じていただきたいと思います。
〔さらに、シスレーやルノワールの作品でフランスらしい絵画の世界に浸ったあとには、
趣の違う作品で異国情緒が味わえます。〕
パリ社交界の画家として活躍していたティソは、ロンドンに渡り、そこでも絶賛を浴びました。
★ジェームズ・ティソ 《菊》
1874-76年頃 油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
丈夫で色鮮やかな菊は、19世紀後半の英国で大人気でした。
この作品は比較的大きく、目の前にあふれる菊の花には圧倒されることでしょう。
〔展示室を移動していくと、女性像で有名なブクローのこちらの作品に出逢えます。〕
★ウィリアム=アドルフ・ブグロー 《座る裸婦》
1884年 油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
まずはとにかく、透き通るような女性の肌に魅せられることでしょう。
手足の複雑な組み方と水面に映る足にもご注目ください。
〔つづいて、ジェロームの描く異国情緒たっぷりの作品が数点。〕
特にこちらの作品の緻密に描かれた壁や床には、目を見張ります。
★ジャン=レオン・ジェローム 《蛇使い》
1879年頃 油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
壁として描かれたアーチ型のタイル装飾は、
現在のイスタンブールにあるオスマン帝国トプカプ宮殿の3点のパネルから模写され、
19世紀のエジプトで行われていた裸の若い男による蛇使いが描かれ、
床はエジプトのカイロにあるモスクのものを再現していると記述されています。
近東の文化を融合させて、よりエキゾチックに描かれた作品なのですね。
〔隣の部屋へ移動すると、雰囲気はまたヨーロッパ調に・・・。〕
室内の女性が描かれた作品は、当時のファッションやインテリア、
小物などを知ることができるので、とても興味深いです。
★アルフレッド・ステヴァンス 《公爵夫人(青いドレス)》
1866年頃 油彩/板
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
青いドレスのビロードのひだや光沢などはぜひ本物の作品でじっくりご覧くださいませ。
また、夫人の視線が肖像画に向けられているのはひと目でわかりますが、
背後にある日本風の屏風の中の人物も一緒になって
肖像画を必死に見ている姿にもぜひご注目いただきたいと思います。
〔さらに展示室を移動すると、終盤は再び有名な画家たちの作品が並びます。〕
〔印象派の父と呼ばれるカミーユ・ピサロの作品は、本展全体で7点。〕
こちらの作品に描かれた工場は、パリの北西ポントワーズのはずれにある
シャロン・エ・ブルノ蒸留所で、1873年にこの場所を4点描いたうちの1点がこの作品です。
★カミーユ・ピサロ 《ポントワーズ付近のオワーズ川》
1873年 油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
ピサロはこの時期、この川の対岸に住んでいたそうです。
この風景をピサロは毎日眺めていたのですね。
〔歩を進めると、バレエや馬を主題にした作品の多いドガの絵画が・・・。〕
この 《稽古場の踊り子たち》 は、上からの視点と横長の特徴が
浮世絵の影響だといわれています。
★エドガー・ドガ 《稽古場の踊り子たち》
1880年頃 油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
確かに変わった構図と不思議なトリミングは、日本屏風を見るようです。
〔そして、モリゾやマネなどが描いた花の作品が数点。〕
〔さらにルノワールの美しい作品が並びます。〕
こちらの作品も色とりどりの色彩が重ねられ、微妙な色合いが表現されていますので、
ぜひ近寄ったり遠ざかったりして、じっくりご覧くださいませ。
★ピエール=オーギュスト・ルノワール 《縫い物をするマリー=テレーズ・デュラン=リュエル》
1882年 油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
人物画が多いルノワールの数少ない静物画3点を含む全22点のうちの
6点の作品画像は、前回のご紹介記事で掲載いたしました。
その他にも、ミレー、ボナール、マネ、モネの作品画像を紹介しています。
(前回ご紹介記事同様、日本初公開作品には作品画像のキャプションに★マークをつけました。)
クラーク夫妻の審美眼にかなった美しい作品ばかりの本展は、全73点!
全体的にきれいにまとまっている展覧会だと感じます。
ほとんどの作品が初来日のものですので、この貴重な機会にぜひご覧いただきたいと思います。
奇跡のクラーク・コレクション
―ルノワールとフランス絵画の傑作
会期 : 2013年2月9日(土)~5月26日(日)
開館時間 : 木・金・土 10:00~20:00
火・水・日・祝 10:00~18:00
(入館は閉館の30分前まで)
休館日 : 月曜
(祝日の場合は、18:00まで開館、翌火曜休館。但し5月20日(月)は開館)
会場 : 三菱一号館美術館(東京・丸の内)
東京都千代田区丸の内2-6-2
交通案内 : 東京メトロ千代田線「二重橋前」駅・1番出口より徒歩3分
都営三田線「日比谷」駅・B7番出口より徒歩4分
JR「東京」駅・丸の内南口/JR「有楽町」駅・国際フォーラム口より徒歩5分
入場料 : 一般 1,500円 大学生・高校生 1,000円 中学生・小学生 500円
アフター6割引き 一般 1,000円 ※木・金(祝日を除く)の18:00以降
お問合せ : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
三菱一号館美術館クラコレ公式HPはこちら→★★★
なお、このブログをご覧の方々には、当展覧会のご招待券をペアでプレゼントいたします。
ご希望の方は、下記メールフォームをクリックして、お申込みくださいませ。
お申込み締切日は、2013年4月10日までとさせていただきます。
(ご応募多数の場合は、抽選とさせていただきますのでご了承くださいませ。)
受付終了いたしました。
たくさんのお申込みをいただき、ありがとうございました。
ご応募多数でしたので、事前にお伝えした通り、プレゼントは抽選とさせていただきます。
お申込みいただいた方全員に、数日内に、メールにて抽選結果を通知いたします。
巡回 : 兵庫県立美術館(兵庫・神戸) 2013年6月8日(土)~9月1日(日)
(画像のコピーや転載はされませんよう、お願い申し上げます。)
ロマリン