娘をよろしく

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平成二八年神無月一二日

 

阪急神戸線の〇駅の改札を抜けると

帰宅ラッシュの人ごみの向こうに

手を振る娘の姿が見えた。

 

娘の横に男が立っていた。

 

カーキ色のパンツに白いドレスシャツ。

 

イケメンというほどではないものの

いい感じで整った面立ちである。

 

誠実で清潔感のある、素敵な若者という印象を持った。

(もちろん初対面である)

 

とりあえず、

簡単な挨拶だけして

予約をしているという店に案内された。

 

そこは歩いてすぐの居酒屋で、

部屋に入ると四人掛けの掘りごたつ席があり、手前に一人、奥に二人分の食器がセットされている。

彼は、それを見るなり「お父さんは奥にすわってもらいましょう」と娘に言って、奥の食器一人分を手前に移動して、奥ひとり、手前二人分の配置にした。

 

私は、その様子を眺めながら「やるじゃん♪」と思った。

 

席に座ってビールで乾杯。

よく見ると彼の手が震えている。

 

それでも、

飲むほど、酔うほどに打ち解けてきて

いろんなお話が聞けました。

彼の、人となりの良さが感じられました。

 

このとき、

お話しした内容は、おおむね以下の通りです。

 

● 来月入籍したい。

● 式は挙げない。記念の写真だけ撮る。

● 仕事がら転勤族になる。会うのが難しくなる。

● 実は、一年以上前から一緒に住んでいます。

 

反対する理由もなく、

何より、直感で「このカップルはうまくいく」と思ったので、「こちらこそ、娘をよろしくお願いします」と、彼の眼を見て言いました。

 

 

それにしても、

二人の様子を見ていると、

娘が主導権をきっちり握っていて笑ってしまいました。

 

女が強くてたくましいって事は

宝飾業界という、女だらけの世界でいきてきて、深層心理の芯の部分で知ったつもりでいましたが、娘もやっぱり女でした。(笑)

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