それは突然やってきてジクソーパズルの最後のピースがはまったように完成を見た途端、
スペクタル映画のようにそこから光が放たれ包まれたようだった。
私を見つけ、私だと確信した視線に気付きもせずそこに佇んでいた私は、送られて来たメールに目を疑う。
送り主がわかっていても、今居るでしょ?と打たれている本文をいぶかしく思う。
送り主がいったいどこからメールを送っているのか、歩いた自分の軌跡を辿りつつ気持ちがざわつく。
何通かのやり取りの後、私の顔合わせのランチに同席することになって、本人が現れたときの驚きと安堵感はなんとも表現し難い。
2年振りくらいに見る笑顔はちっとも変わってなくて、彼女が私を見つけ勇気を振り絞ってくれたことが嬉しい。
そして2~3日前に貴女のことになぜか気持ちが這って夢に見たのは予知夢だったのだと、彼女の笑顔を見て言おうとしたけれど、
面と向かって『思いは通じるんだね。』と私に言う、彼女のもうずっと素直なかわいらしさに口ごもる。
『ROMAちゃんは、エレベーターを待ってるときでさえはっきりした性格丸出しだったわよ~。』と、その時の2~3メートルを笑う。
そして、私の思いを形にしたくて何度も何度も家においでよと言って、宴の夜が決まった。

$エッセイスト料理家ROMAKOの『好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる』-再会の宴

私の性格は嫌らしくて猛勉強しているのにしていないを装う。
この夜のために、私の大好きな料理家たちのレシピ本を見返し、
電車に揺られて食材や器を買いに行ったことはナイショにしてあれこれを用意した。
シーズンはハロウィン。
ハロウィンのビール、ハロウィンのパスタ、そしてカボチャ料理をポイントに、彼女のお腹をはち切らせる料理をせっせと作る。
まるで恋人を初めて家に迎えるようだ。

$エッセイスト料理家ROMAKOの『好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる』

私の想いは、もうずっとごめんねを言いたかった、あの時投げやりになって、どうでもいいって言ってごめんねと言いたかったのだった。
その気持ちの器は、いっぱいになって溢れそうになっていた。
だから、彼女の夢を見たんだと今でも思う。
いつ、どこか、どうやってその気持ちを表し伝えればいいのか夢の中では答えがでなかったから、
実はもう術はないんじゃないのかとさえ思っていた。
だから、メールが届いてランチができることになって、その決まって行く状況があまりにも凄くて、
これは藁だ!チャンスの女神の前髪だとすがった。
ありがとうと勇気を振り絞ってメールをくれた彼女を讃えたい。

大事なことはちゃんと手に入れて、大事なことは決して逃がさないと自分に誓う。