⑤円通の意味

テーマ:

 

円通を使った言葉で代表的なものの一つが円通大士だと

思いますが、実はこれ観世音菩薩の別称なのです。観世音

菩薩には他にも観自在菩薩、正法妙如来の合計四つの名称

があるのです。観世音菩薩=観自在菩薩=円通大士=正法

妙如来です。これら四つの名前から観音の本質が読み取れ

ます。

 

そしてこれら四つの異名を持つ観音さんの姿・形が、読

者にはお馴染みの天人相応太極円通図(以下、円通図)で

す[図1]。これは宇宙大自然のミクロからマクロに至る万

物万象の姿・形を表すものですが、同時に観音の姿・形で

もあるのです。

 

「えっ、そうなの?そんなこと聞いたことがない!」と言

われそうですが、私的にはそうなるのです。調べる限り、観

音を四つの名称から解説した書物に出会ったことがありませ

んが、観音の本質的な理解には四つの名称からのアプローチ

は大いに役立つのではないかと思います。

 

円通図は既述のように円が中心帰一の回転コマ運動をする

ことを示す図で、これが「円通」であり円滑や円満そして真

の意味の健康の理解に繋がるのですが、名は体を表すように

円通大士という観音の姿・形でもあるのです。

 

次に、この円通図は横軸にすると波の形つまり波動になりま

すが[図2]、宇宙の万物万象は波動であるということにもな

ります。そして、「宇宙は音である」と言われたりもしますが、

音は即ち波動でもあります。宇宙を広義に世とすると、“世の音

を観る(観世音)”というのは、波動である宇宙の万物万象を“

観ずる(よく観察し思い巡らせて正しく知る)”ことなのです。

さらに、宇宙は無限絶対無始無終の神・仏でもあるので、観世

音とは観神仏の意味にもなります。

 

その波動ですが、これは陰陽の勾玉の円通から生じますが、

この陰陽は陰陽互根・陰陽双補の関係にあり、観方を自在にす

ると、つまり観自在によれば、陰は即ち陽であり陽は即ち陰であ

って実は陰陽は表裏一体であることがわかります。このような、

「すべては一つ」という法則、これが「一に止(とど)まる法=

正法」です。この正法の部分を強調したのが正法妙如来です。妙

は「少ない女」と書きますが、無限絶対無始無終の宇宙という神

・仏は稀に見る絶妙な如来であるというわけですが、これも観音

の一面なのです。

 

これら「円通」、「観世音」、「観自在」、「正法」に大士や菩薩・

妙如来が付いて観音の本質を表しているのです。大士は大いなる

士であり、菩薩と妙なる如来(=仏)は仏教の十界思想から来て

います。観音は菩薩でも仏でもあるわけですが、詳細は『究極の

医療は円通毉療』の第二章観音考をご覧ください。

 

四つの名称は観音の働きに由来するのですが、これは例えば、

ある人が家では「お父さん」、会社では「部長」、後輩からは「

先輩」と呼ばれるようなものです。同一存在なのですが、立場

や働きによって名称が変わるのです。観音の四つの名称のうち、

健康の定義には円通が、その手段には観自在が適しています。

 

仏教のエッセンスである般若心経の冒頭に「観自在菩薩 行

深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆皆空 度一切苦厄」とあります。

この部分は般若心経のエッセンスですが、そのまたエッセンス

が下線の部分で、「観自在の智慧によれば一切の苦厄から救われ

る」ということです。度は「縁亡き衆生は度し難い」というとき

の度であり、彼岸に渡る時の渡は度に川を意味する氵(三水)が

付いたものです。一切の苦厄とは、生・老・病・死の四苦とそれ

に愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦を併せた八苦です。

つまり、自在に物事を観る観自在を実践すれば、四苦八苦から救

われた心身共なる健康が得られるということなのです。

 

観自在を徹底するには、観音を知り尽くした白隠さんが仰っ

た正念工夫(一に止まる今の心を保持するように工夫する)を

絶えず心がけることです。「ピンチはチャンス」、「苦難は幸福の

門」、「艱難汝を玉にす」です。その理解の方便として当院が開

院時から受付台下面に貼っているのか、貴婦人と老婆のだまし絵

です[図3]。「何に見えますか?」と自問して見ていただくの

ですが、観方次第でどちらにも見えるわけで,貴婦人も老婆も

表裏一体であることがわかります。

 

自分が直面することはすべてこれと同じです。そして大事な

ことは、「善も悪も糾える縄の如しで自分にとって必要不可欠な

ことであり、しかもそれは他でもない自分の玉し霊(たましひ

=魂)が組んだ今世でのプログラムである」ということです。

白隠さんは「地獄大菩薩」という書を残していますが、地獄を

味わったからこそ常楽我浄の悟りの道に至れたと地獄に感謝し

ています。

 

個人レベルでも人類レベルでも同じです。現在そして未来に起

きるかもしれない艱難辛苦や天変地異による地獄は大変でしょう

が、そのことによって初めて玉し霊の覚醒が起き、霊心体共に真

に健康で平和な世界すなわち弥勒(ミロク=3×6=6+6+6

=18→観音の数字)の世に至るのだと思います。

 

 

 

 

 

図1

 

図2

 

図3

 

AD