1st Sony's Caviar / ファースト・ソニーズ・キャビア | 企画とプレゼン手法

1st Sony's Caviar / ファースト・ソニーズ・キャビア

私個人の完全なる『造語』です。
ブログ記事内での重複ですが、とても大切な要素なので
企画用語説明にも、独立した項目として抽出しておきます。
 
 『1st Sony's Caviar / ファースト・ソニーズ・キャビア』

というのは、ソニーの初代社長だった盛田氏の故事から由来します。

アメリカで「タイムシフト」という概念をキチンと理論立て、
正々堂々と裁判で勝ち、アメリカ中を魅了したあの盛田氏です。
#「ベータマックス訴訟/1984年1月17日」の説明は
 ソニーのHPに連載されています。→参照するならココ

盛田氏は品川の自宅地下にあるプールで、チョウザメを飼育して
いました。もちろんキャビアを採取するためです。
当時、キャビアの主だった産地はロシアでしたが、乱獲がたたり
年々、採れる量が減少する一途だったのです。

#カスピ海産とアムール川産が有名。ですがカスピ海はイランにも
 面しているため、イラン産キャビアもよく知られています。
#2006年のカスピ海産のキャビアの国際取引は、ワシントン条約に
 よって当面禁止。
#国内では養殖によるキャビアの生産が行われています。
 釜石市などが出資している第三セクターの「サンロック」が
 2003年、商品化に成功。もちろん協力民間企業は新日鐵。

そこで盛田氏は、キャビアを取り出したあとのチョウザメを何とか
死なせずに済む方法を考えました。そしていろいろ試した結果、
取り出したあとを縫合し、特殊な抗生物質を塗ることで、再び
チョウザメが翌年も無事、抱卵することを発見したのです。

偉いのは、それをロシア大使館を通じ、技法を教えたことです。
そしてロシア技術者を自宅に招き、無料で指導まで施したのです。

いわれてみれば、誰にでもできそう、または誰にでも思いつきそうな
話ですが、まさに常識を覆す『コロンブスの卵』ではありませんか。
技術的にはそう大した話ではありません。ですがそれを思いつき、
組み合わせ、試し、成功させたブレイクスルーは誰にでもできる
ものではありません。

#特に日本ではこういった偉大な「ブレイクスルー」を軽視しがち
 です。>ブルー発光ダイオードがいい例です。

なおかつ盛田氏がスゴイのは、この十分に、ビジネスに転化できる
発見を無償で解放したことです。

『継続可能な社会』や『ロハス』といった耳障りのいい経営戦略。
企業が、市場を独占するための戦略や知的所有権。
私たちの未来社会を考えるとき、こういった「ブレイクスルー」を
どう扱うかが、キーポイントになってくるでしょう。

<蛇足情報>
盛田氏はお茶目な人というか洒脱な人でもありました。
品川にある自宅の広大な庭には人工の川があり、鮎を飼育していて、
毎年6月1日には友人や知人を招いて、解禁日に釣り&試食パーティー
を開いてらっしゃいました。

...と岡本太郎氏に関係する著作の談話で読んだことがあります。