さてさて、今日は
「初心者の素朴な疑問に答えたサッカー観戦Q&A」
西部謙司 著
の試し読みやっちゃいます。
日本では10人のフィールドプレーヤーの真ん中あたりにいる選手を「ボランチ」と呼んでます。これ、実はポルトガル語です。「ハンドル」とか「舵【かじ】」という意味です。
チーム全体を操縦するように、右に左にパスを送る選手だからでしょう。最も基本的なポジションはゴールキーパー(GK)、ディフェンダー(DF)、ミッドフィルダー(MF)、フォワード(FW)です。これだけ知っていれば十分です。日本語にすると、ゴールを守る人、守備者、中衛、前衛ですね。だいたいこれでわかりますよね。
ボランチはMFの中央の選手になりますが、プレーの雰囲気を表したニックネームみたいなものにすぎません。ストライカー(破壊者)なんてのも同じです。べつに知らなくても大丈夫です。何の支障もございません。
そもそも、サッカーのポジションというのはGK以外決まっていません。GKにしてもペナルティーエリアの中で手を使える、他の選手と違うユニフォームを着なければいけない、それだけの違いです。一番前に行ってもオーケーです。他のDF、MF、FWもどこにいても構いませんし、実際いろんなところへ移動します。DFはここからここまでしか動けないなんて決まりはないんです。ですから、これも覚える必要はありません。ポジション名は、いちおうの目安だと思ってください。何なら全部忘れても問題ありません。
じゃあ、どうしてポジション名があるのか。
幼稚園児に試合をさせると、だいたい「ニワトリのサッカー」になります。エサに群がるニワトリみたいに、皆がボールに群がっていく。つまり、幼稚園児のサッカーにはポジションがないわけです。しかし、年齢が上がってくるにつれてニワトリさんたちもバラけてきて、そのうちにポジションに分かれるようになります。そういうふうに教えられるということもあるでしょうが、そうしないと勝てないからです。だいたい、ずっとボールの後を追いかけていたら疲れちゃいますよね。効率化の結果が、ポジションを生み出しているわけです。
で、もっと効率よくプレーし、勝てるようにするために、ポジションをいじったり人数配分を変えたりします。それでいろいろなフォーメーションと呼ばれる代物ができてきた。ですから、DFが何人いて、MFに何人使って、という配置をみることで、どうやって試合に勝とうとしているかを読み取ることができます。
ただ、これも目安なんですね。サッカーはマスゲームではありません。そのときどきの状況に合わせて、ここにいたほうがいいと思う場所にいればいいだけです。むしろ観戦者にとって重要になるのは、ポジションよりもポジショニングです。どうして、あの選手はあそこらへんにいたのか。それを知ることで相当面白く見られるようになるはずです。
こんな感じで、いったん突っぱねたり、スカしたりしますが、ソフトな語り口でナルホドという説明をしてくれてます。
サッカーあまり詳しくないというサカパパ、サカママにピッタリ。
けっこう詳しい人たちも、初心者への上手な説明の仕方のヒントとしていかがでしょうか?
https://www.amazon.co.jp/dp/4862572901
PS
昨日は弁当サボってしまいました。
会社近くの御徒町の「天水」というラーメン屋で半チャンラーメン。
なんと600円。
ここのラーメンのスープが昆布と魚介のダシが効いててクセになってます。