6月8日


深夜3時ごろより 本陣痛らしきものスタート。

この時は 母も夫も一時帰宅していたので

私は一人 病院でこの痛みに耐えていた。

間隔は3分くらいになってたと思う。


このころから、トイレに行くたび、気になることがあった。

出血が多かったのだ。

私の感というのか・・・なんかおかしい。

トイレに座るとナプキンにつく以外に血が流れる感じ・・。

助産師さんには何度もナプキンをチェックしてもらったが

「これはオシルシで、赤ちゃんも元気だから問題なし」といわれ続けた。

この病院は助産師が時間交代でどんどん変わってくので

毎回違う人に訴えてみたけれど、特に相手にされなかった。


明け方7時ごろ 夫到着。

そして、やっと2度目の内診。

子宮口は5センチまで開いていた。

なんだか少しだけ先が見えたような気がした。

でも相変わらず赤ちゃんはあまり降りてないらしい。

お願いだからこのまま勢いに乗って欲しい・・・ と願った。

この時の担当の助産師さんへも出血が多いことを伝えた。

唯一、この助産師Sさんのみが

「確かに多いね、これからも多くなるようだったら言ってね」

と言ってくれた。すごく 心強く感じた。



5センチまで開いていて、いい陣痛が来ているから

上手くいけば今日の昼すぎには生まれるかも・・・!

という連絡を母にして、母と姉がヘルプに来てくれた。

この時にはもう陣痛はかなり辛くなっていて

腰が砕けそう、下半身を取ってしまいたいような鈍い痛み、

オシリが痛い(陣痛のとき押してもらうと少し楽になる・・)

呼吸も荒くなって ひぃひぃふぅふぅ・・・もうやだ・・って連発してた。

あまり記憶がないのだけど、結構暴言?吐いて

周りにキツク当たっていたらしい(ごめんなちゃい・・)

食事はとれないので無理やりウィダーインゼリーを飲んだ。


お昼を周っても、陣痛のペースは強まらない。

すごく痛いし辛いし3分間隔なのだけど

この強い痛みのあとに、私がふっと睡魔に襲われだした。

やっぱり 体力がもう 限界ぎりぎりになっていたのだ。。

普通の病院であれば 促進剤を使うところ。

でも、うちはあくまで「自然」にこだわる病院。

赤ちゃんが疲れたサインが無い限り、何もしてくれないのだ。。

こんな辛い中「湯船につかりなさい」といわれた。

体を温めると陣痛が強まるから。。と。

なんとか浴槽までいって、お風呂につかって

お風呂の中で何回陣痛が来たことか・・・15分以上入らされた。

確かに出た後、陣痛が強まった。

1分間隔のときもあったし、イキみたい感じの痛みも出てきた。

でも、それも長くは持たなかった。

逆にお風呂で体力を消耗したのか、睡魔がまたしても・・。

助産師さんは そしたら もう 寝てください・・といっていた。

その言葉どおり、私は時々うたた寝をしていた。

こんな陣痛が来ていても本当に疲れると人間は寝てしまうらしい。


姉は夕方 帰っていった。

母も夫も疲労困憊、でも、ここまで来たら帰れない・・。

一体 いつまで続くのだろう?誰もが不安でいっぱいだった。


時間はもう定かではないけれど、夜10時ごろだろうか?

内診があり、子宮口は7センチになっていた。

朝5センチで夜でも7センチ?!

まだ3センチもある・・・ 出産まであまりに遠く感じた。

このペースでいったら 明け方産まれるか産まれないか・・。

私はもう自分の気力と体力の限界をわかっていた。

もう無理・・・耐えられない・・・。

泣いて 促進剤か帝王切開か 何か方法はないんですか?!

と助産師さんに訴えていた。

「あなたは血圧の事があるから、赤ちゃんが

ちゃんとわかっててゆっくり陣痛を進めてくれてるのよ

促進剤も帝王切開もリスクはすごく高いものなんだから。

7センチまで開いてるんだし順調に進んでるんだし大丈夫だから!」

と励まされたけど、もう、先の見えない不安から逃れたくて

そんな言葉は聞いているようで 聞こえてなかった。。

ああ、誰か なんとかして。。 ってずっと思っていた。



たぶん、深夜12時近くだったと思う。

担当が助産師Sさんにかわっていた。

ずっと気になっていた出血がこの時やっぱり多かった。

間に何度も他の助産師さんに見てもらったし、

夜の内診でも見てもらっていたけど、

この助産師Sさんならきっと分かってもらえるハズ・・・と

しつこいけれど、もう一度 確認してもらうことになった。

NSTを付けて赤ちゃんの心拍を確認するSさん。。


すると 突然 、Sさんが 冷静な声で

「赤ちゃんの心拍が2回ほど 落ち込んでる。

さぁ、出産ですよ、分娩室、いきましょう。」

といった。


 

私の気力と体力の限界をわかってくれてるかのように

私を助けようとしてくれてるかのように

赤ちゃん自身がもう出たいってサインを出してくれたんだ・・・

そんな風に 朦朧とした意識の中で 私は感じていた。


あまりの急展開に 母も夫も訳が分からぬ状態。。

あれよあれよ というまに私は車椅子に乗せられ

まだまだ 先だと思っていた分娩室へ運ばれていったのだった・・。