シャージャハーン陛下と思しき人物が学者風の男と資料を見比べています。「何だか、大変な話になってきたな。」と頭を掻かれます。「左様で御座いますね。作者自身も何か訳の解らない「メール事件」に巻き込まれているようで、困惑しているようですが。」「この間のフランスの何とか言うイスラム教団の事かな。わしが何とか話をつけるから心配は要らぬのに。」「否、高麗国の話のようで、この「帝国の姫君達」を書き始めるキッカケになった製鉄会社のネット会社へ作者を連れて行った時の通訳の男の不正がらみのようなのですが、作者自身も事態が飲み込めていないようなのです。」「まあ、そんな話はほっておくように言ってくれ、著作権の持ち出し等は気にもしとらんわい。それで、公開しているのだから、他から既に色々な制作話が来ておるのだから、良い方向へいくじゃろうが、それよりも、この「月姫様」のあまりに不思議な話は、こちらの方が大変な事かもしれんぞ。ノストラダムスとか言う預言者が書いた預言書には「1999年に恐怖の大魔王が下りてくる。」となっているのじゃが、「1999年に恐怖の大魔女が下りてくる」の方が正しいのかも知れないのじゃよ。つまり、降りてこられるのは女王様なのじゃよ。」「それと、月姫様とどんな関係があるのでしょうか。」と学者が聞くと、「それそれ、そなたの研究じゃよ。」と言われると、学者は月姫様に関する記録を報告します。
「月姫様は御幼名は竹姫様と言われて、湿原の邦の竹林の中の光る大竹の中からお生まれになったとされています。その後竹取りの翁が切る竹には金貨・銀貨が詰まっていて、瞬く間に大長者となられたので、この姫様を大切に育てたようですが、ものの数年で瞬く間に成長されて少女となられたようです。そして、都に行きたいと言われて旅だたれたそうです。カーリー地でカーリーの姫達と合流する時には、背中には月と天女の刺青があったようですが、その後は消えているようです。そして、鷹姫様の姫様行列に紛れて後宮に入られたそうです。大変に多くの食事を摂られたようで、回りの人達はまるで牛か何かのようだと驚いていたそうです。何十匹かの羊が消えて、鷹姫様達は実家に羊を送って貰わないといけない程だったそうです。そして、誰よりも早く成長した月姫様は後宮の宴に出るようになったのですが、この頃、市中では辻斬りが出て治安に異変が起こります。警備の者達の手に負えず、終に姉姫様が捜査に当たられますと、襲われるのは成人した男ばかりで、時として一物を取られている事さえあると言うのです。それで、辻斬りの立ち回りそうなところに張っていた姉姫様の前に、見るも恐ろしげな怪物が若い男(後宮帰りの王子様)を襲っている所に出くわしたです。姉姫様(カーリー女神様)と怪物(月姫様)との間で死闘が始まったのですが、なかなか決着が付きません。そのうち、姉姫様はこの怪物が女だと解ります。すると、怪物はさっと逃げていきます。姉姫様は宮殿に報告に出かけた時に、皇后様の母君が見つかったと言う報告が届き、国中が大騒ぎになります。末弟様と日の邦から来た武士が戦場に着いた時に、今際の勇者様と交わっている月姫様の姿を見たようなのですが、この事は不問にされたそうです。この地より、月姫様は天に登って、月へと帰られたとされています。」「これで、解ったであろう。」と陛下が言われますと、「大予言とどんな関係があるのですか。」と聞きます。
「月の邦には、数万人ほどの人達がいるのであるが、近親結婚が続くので色々と悪い遺伝子が出てしまうのじゃよ。それで、ある期間経つと優れた遺伝子を求めて、月から姫君が「種」を取りに来るのじゃよ。しかし、もし月世界の人達の遺伝子が入るとその超能力で「Xメン」となるのじゃよ。1999年は、その「種」を取りに来る年だったと言うわけなのじゃよ。実はこの年は世界の何箇所かで、辻斬り事件を彷彿とさせる怪しい事件が起こっておるのじゃよ。」
「なるほど、陛下の御高説は高説として承っておきます。」